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追憶の紋章【8】 -あとがき-

Category : 追憶の紋章【8】
凱旋パレードでは、いま一つ浮かない気分だったリッちゃん。
祝宴パーティーでミオちゃんを見ると、途端に気分回復。

とにもかくにも功績を建てたのは間違いないのだから、と。
ミオちゃんとの未来を夢見て、ちょっぴり興奮気味です。

ただムギちゃんは、浮かれ気味なリッちゃんをちょっと心配しています。
ユイちゃんはいつも通り能天気なままですが。
けっこう真面目な気持ちで、リッちゃんとの契約を全うしよう…とか思ってます。

リッちゃんは王に望みを伝える事が出来るのか?
それはまた次のお話で。ではー。

「追憶の紋章 【8】王都帰還」を読んで頂きありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

追憶の紋章 【8】王都帰還 -09-

Category : 追憶の紋章【8】
「ミオ、お願い」
「…」
「ごめん、今だけは我慢して。もう少ししたら…」
そう言って私は彼女から離れた。曲ももう終わりは近い。

これからは前よりもっと会う時間が増えるよ。

私は今はまだ言葉に出来ないその思いを胸にしまい、王女に向かって深々と頭を下げる。
「殿下、私のお粗末なダンスにお付き合い頂き、光栄でございました」
「…楽しい一時でした、騎士様」
そう言ってくれた王女の手を取り軽くキスをしてから、私は体を翻し王女の元から離れた。

部屋の隅で手を振るムギの方へと向かい「疲れたから今日はもう戻るよ」と言うと、ムギが後のことはまかせてくれていいわ、と言ってくれた。
彼女のお言葉に甘えて、私は王宮内の広間を出て行く。
自室に戻ろうと外に出て歩く途中、私は何となく後ろを振り返ってみた。
会場となった広間から、煌々とした明かりが夜の闇に零れ周囲を明るく照らしていた。
中からは陽気な音楽と、人々のざわめく声が聞こえてくる。

宴はまだまだ続きそうだった。

To be continued…

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追憶の紋章 【8】王都帰還 -08-

Category : 追憶の紋章【8】
剣の修行はしてきたけれど。ダンスなど昔、伯爵に簡単に教えてもらった程度だった。
「覚えておいて損はないぞ」と言っていた伯爵に「そんなの必要ないですよ」と言い返し、剣の練習程にはさほど熱心に覚えようとしなかった事が、今更ながらに悔やまれる。
伯爵、おっしゃる通りでしたよ。

「大丈夫、ゆっくりでいいから」
曲が始まると私にかなり密着してきたミオが、私の耳元で小さくそう囁いた。
「お手柔らかに…」
私としては、そう言うしかない。
曲にあわせて私たちは踊り始めた。
もちろん私の方は、どうにか形にしているだけの下手なものだったけど。

「驚いた?」
またも耳元で囁くように話すミオ。
「そりゃあ、もちろん」
私も小声で返答するが悲しいかな、私の方が彼女より少し背が低いので、話す時は少し背伸びしないといけない。
「急に話しかけてくるから」
「だってそうしないと、あそこの貴族のお嬢様たちがリツの事狙ってたもん」
少しだけ拗ねた口調でそう話すミオ。
「え?べ、別に…」
私は彼女たちと話す気は、全然なかったんだけど。
「だから先にね」
「…それはどうも」
そんな話をしながら足を揃え、体を密着させて音楽に合わせて私たちは踊る。

「リツ」
「…ん?」
「無事で、無事で良かった…」
そう言ったミオの声は震えていた。
先ほどまでの王女としての堂々とした感じは、すっかり消えている。
「ムギから先に、リツが無事だって聞いた時は本当に嬉しかった」
父や弟と一緒にここに来た時、すぐにリツの元気な姿を見れて私はすごく嬉しかった。
「本当はすぐにでも側に駆け寄って行きたかったけど…」
泣きそうなうになるのを堪えながら、必死に話すミオ。
「いいよ…」
それは許されない事だってくらい、私だって痛い程わかっている。

「怪我したの…リツ?」
ミオは先程ムギがしたように、私の肩の部分を心配そうに手で触れている。
「大したことはない。…それよりミオ、そろそろ離れるんだ」
「…嫌」
ミオは首を一度横に振ると、ますます私に密着してくる。
私だっていつまでもこうして居たいのはやまやまだが、いくらなんでもおかしいと思われるだろう。

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追憶の紋章 【8】王都帰還 -07-

Category : 追憶の紋章【8】
「…リッちゃん」
「ああ、まずは陛下に何て切り出せばいいのか。まだ考えがまとまらないよ、ムギ。じっくり考える時間が欲しいなあ」
「リッちゃん、あの…」
「とにかく、今度…」
話の途中だったが、私はムギの後ろに来ていた人に少し驚き、口を閉ざした。
ムギは私の視線が自分の背後に集中していることに気付くと、慌てて振り返る。
「ミ、王女殿下…」
「…」
「ごきげんよう」
いつのまにか近くに来ていたミオ…ではないこの場ではこの国の王女に対して、ムギは慌てて頭を下げた。もちろん私も同じように頭を下げる。

「貴女が赤枝の紋章を受け継ぎ、この度はドラゴンを倒した偉大なる騎士様でいらっしゃいますか」
「…は、はい」
「騎士の叙任式では一度お会いしておりますが…。初めまして、ミオと申します」
ドレスを裾を指で少しあげて、王女は優雅に挨拶してくる。
「…王宮の近衛騎士リツでございます」
「リツ様。この度はドラゴンやオークに襲われた街を救ってくれて、この国の王女として心から感謝しております」
「もったいないお言葉です」
なんだか白々しい会話だな、と思いながらもこの場では仕方がないことだった。
それにしてもミオの奴。なんだか堂々としているなあ。
昔の恥ずかしがり屋な彼女とは思えない、さすがは王女様ということか。

周囲の目がこちらに集中してきていた。
さしずめドラゴンを倒した英雄と、それを祝う姫君の物語のような一幕を飾る場面。
「リツ様」
「は、はい」
「良ければ私と一曲踊りませんか」
「へ?あ、いや、私はダンスとかはちょっと…」
「大丈夫です。私が教えてさしあげます」
「いや、でも…」
「騎士殿、王女殿下からのお誘いですよ」
ムギはちょっとだけ人の悪い笑顔を浮かべながらそう言うと、私の背中を押す。
「ちょ」
ムギに押された形で前に出た私の手を、王女は優しく受け取る。
「さあ」
にっこりと笑う姫君。
「…では、僭越ながらお相手させて頂きます」
私とミオが手を取って歩き出すと同時に曲が変わった。
周囲も好意的な拍手を私たちに送った後、それぞれダンスのお相手を見つけて一緒に踊り始めた。

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追憶の紋章 【8】王都帰還 -06-

Category : 追憶の紋章【8】
「馬鹿者、そんな事思う必要はないわ。全てはお前自身が出した結果じゃ」
私が感謝の言葉を述べると、伯爵はフンと鼻を鳴らして私から顔を背けた。
伯爵のそんな態度には、実は少し照れ隠しが入っている事に私はもう気付いていた。
この人は昔からそうだった。案外照れ屋なのだ。

「それにしても、…よう、生きて帰った。しぶとい奴じゃ」
そう言って、伯爵は私の髪を手でくしゃくしゃにしながら、頭をゆっくりと撫でてくれた。
私は黙って、伯爵の為すがままにされるばかりだ。

子供の頃に出会ったその日から、何くれとなく私のサポートをしてくれたこの人は、私の剣の師匠でもある。それ以外にも軍の事や兵法、さらに王宮内の作法等、騎士になるために必要な事は全て教えてくれた。
物心ついた時には施設に居て、両親の顔も知らない私は、もし父が居ればこんな感じかもしれない…伯爵にいろいろ教わりながらも、そう思った事が何度かあった。
爵位を持つ伯爵家の御当主に対して、一平民である私がそんな風に思うのは、思い上がりかもしれないけれど。

伯爵はしばらく私と話をしていたが、パーティーには参加しないとの事だった。
伯爵はなぜか昔から、他の貴族が大勢集まるこの手のパーティーを嫌っていた。
「お前は楽しんでこい」とだけ言うと、私から手を振って離れた。

***

「りっちゃん、よく無事で…」
伯爵との会話を思い出していた私は、ムギの少しだけ涙ぐんだ声にハッとなる。
「へへ、言ったろ。必ず無事に戻るって」
「ええ、ええ、本当に」
ほんの少し目に涙を浮かべながら、ムギは私の肩辺りを優しく触れてくる。
左肩を負傷したために包帯を巻いていたので、服が少しだけ盛り上がっていた。
「…大丈夫?」
「大したことはない。それより、ムギ。ムギや伯爵のお陰で、私は望んでいた高い功績を建てることができた」
「そう、ね。…でも、私は特に何もしてないわ」
全てリッちゃんの剣の成果よ、と言ってムギは微笑んだ。
「ありがとう。とにかく数日にはいくつかの論功行賞が決まるだろう。その席で私は望みを王に伝えるつもりだ」

- ドラゴンを倒した者には望みの恩賞を与える。

王が討伐軍を見送る際に宣言した言葉を私は口にした。
ムギは黙って私の話を聞いている。

「でも私の望みを言う前に、ミオの望みも先に聞いておきたいな。ああ、一度ちゃんと聞いておくべきだったよ」
ただ以前に一度、ミオは王宮から出たいと言っていた事を私は覚えていた。
街に戻って普通に暮らしたい…と。
もし許されるなら、私もミオと二人で街へ戻りたかった。
王女でも騎士でもなく、昔のままの平凡な暮らし。
しかしさすがにそれは難しいだろうか。

「とにかく王にはありのままの希望を、一度聞いていただきたい」
全てが無理でも、互いに譲歩出来る処を陛下とちゃんと話しあって…あ、もちろんミオの意思もちゃんと尊重して。とにかく二人で一緒にいられるなら、それ以上多く望まないつもりだ。

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Author:書き人知らず知らず
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