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追憶の紋章【7】 -あとがき-

Category : 追憶の紋章【7】
ユイちゃんの協力も得て、とうとうドラゴンを倒したリッちゃん。
赤枝の騎士とさらに、ドラゴンスレイヤーの称号を勝ち得ました。
でも嬉しいはずなのに、どこか釈然としないリッちゃんだったり。

とりあえず討伐軍はその任を果たしたので、勇躍街へと戻ります。
その後は王都に凱旋でーす。
このお話までが、物語の前半みたいなもんでしょうか。
次回から舞台はまた王宮内に戻り、物語の後半スタートと言った感じです。

それではまた次のお話で。ではー。

「追憶の紋章 【7】ドラゴンスレイヤー」を読んで頂きありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

追憶の紋章 【7】ドラゴンスレイヤー -11-

Category : 追憶の紋章【7】
「ゴホ、ゴホ」
砂煙のために咳込んだ私は、必死に手で砂を払って辺りを見てみる。
「ユイ!」
「リッちゃん、大丈夫?」
「ユイこそ、無事で良かった…」
互いの無事を喜びあう中、砂煙が消えていくとドラゴンがその巨体を現した。
もうピクリとも動かず、地面に倒れたままだ。

私は警戒しながら、地面に倒れたドラゴンの側へと寄っていた。
ドラゴンは私が近づいても、ピクリとも動こうとしはしない。
「…やったのか」
「…そうだね。でもこの子には可哀想なことをしちゃった」
「ユイ?」
いつのまにか私の隣に来て、ドラゴンを見つめるユイ。
だが私の問いかけに答えたユイの声は、いつもの能天気な様子はなく、深い悲しみの色が滲んでいるようだった。
「この子は自分の意思で動いていたわけじゃあないのに…」
「え?」
ユイの言葉にどういう意味か尋ねようとした時、誰かが不意に叫んだ。
「ドラゴンを倒した…、倒したぞー!!」
一人の騎士がそう言うと、洞窟内に残っていた仲間たちは一斉に歓喜の声を上げた。

バンザーイ!
我が騎士団に栄光あれ!
我らが弓に勝利の矢が放たれた!

興奮する声が上がる中、最初に叫んだ騎士が私の方へ嬉しそうに近づいてきた。
「赤枝の騎士がドラゴンを倒した!」
「確かに!かの騎士がドラゴンに槍を放ち、腹に剣を指した!」
「赤枝の騎士こそ、我らが英雄!ドラゴンスレイヤー(ドラゴンを倒した者)だ!」
そうだ、そうだ!!と激しいドラゴンとの戦いで生き残った勇者たちは、口を揃えて私に賞賛の声を浴びせる。

「いや、私は…」
「赤枝の騎士万歳!」
「若きドラゴンスレイヤー!」
彼らの興奮した声は、洞窟前に待機していた他の騎士や魔法士たち、討伐軍全員に聞こえたようだった。中の様子を見に来た者もすぐに状況を理解して、同じように喜びあう。

洞窟前の陣営で残っていた討伐軍の兵士たちも、洞窟から戻ってきた騎士からドラゴンを倒したと聞いた途端、大きな歓喜の声が上がった。
副隊長も無駄な勇ましさが回復したかのように、矢継ぎ早に命令を下し街へ報告の使者を飛ばす。すぐに戦いによって怪我をした兵士たちを運ぶべく、街に救援を呼ぶと共に喜びの報告を伝えた。

討伐隊からの報告はすぐに街中に広がった。
後で聞いた話では、街に住む人々は口々に歓喜の声を上げ喜びあったそうだ。
そのせいかどうかはわからないが、オークやゴブリンの集団での侵入がぷっちりと無くなった。
多少の知性を有するオークどもが、ドラゴンを倒した討伐軍と戦う等、分にあわないと判断したのかもしれない。

二重の喜びに満たされた街は、お祭り騒ぎの様相と化した。

To be continued…

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追憶の紋章 【7】ドラゴンスレイヤー -10-

Category : 追憶の紋章【7】
「きゃ!」
「アズサ!」
アズサが私が隠れる岩影に近づこうとした時、上から落ちてきた岩にぶつかりそうになった。
私は慌てて岩影から飛び出し、アズサに飛びついて彼女の頭上に岩があたるのを回避した。
だが完全にはよけ切れなかったのか、すぐに肩に鋭い痛いを感じる。
私は痛みを堪えながら、アズサの体を覆うようにして二人して岩影に隠れた。

「アズにゃ、…アズサ!」
ユイが暴れるドラゴンなど眼中にないように、私とアズサの方めがけて走ってくる。
「危ない、ユイ!」
私がそう言ってもユイは構わずこちらに向かってくる。
幸いドラゴンには気付かれる事なく、上から落ちてくる岩にも当たらず、無事にユイはこちらにやって来た。

「アズサ!!」
目に涙を浮かべてアズサに抱きつくユイ。
「うえーん、びっくりしたよー、怖かったよ~」
「…大丈夫ですよ、ユイさん」
アズサが泣きじゃくるユイの頭を撫でて落ち着かせている。
「静かに、二人とも」
ドラゴンはまだ暴れまわっていた。羽を広げて空を飛ぼうとしているのか、空中にふらふらと浮かびあがった。口に槍を入れ、腹に剣を差したままでもドラゴンはまだその力を保っているように見えた。

「あれだけしても、倒せないのか…」
私は痛む肩を手で抑えながら、狭い洞窟内で暴れるドラゴンを見つめる。
「いえ、もう私たちの勝利です。…ほら、ユイさん」
「ふえぇ。…え?あ、うん」
アズサに宥められ、ようやく落ち着いたユイが岩影からふらふらと出て行った。
「おい、ユイ!」
「大丈夫です、見ていてください」
洞窟内の中心で、ユイは痛みの為かふらふらとうまく飛び上がることが出来ないドラゴンをしばらくじっと見ていた。しかし急に杖を振り上げると、私には理解できない言葉を唱え出す。
あれも魔法の詠唱だろうか…。

「リツさんが見事にドラゴンの口の中にいれた槍先には、あの石があります」
アズサがそう言った瞬間、ユイは詠唱を止めた。ユイの足元が急に光り出す。
「魔方陣です」
地面に光で描かれた円の中には、リツにはさっぱりわからない文字が浮かび上がっていた。
アズサの言う魔方陣から何か音楽のようなものが聞こえてくる。
「これは…」
ふとドラゴンを見ると、口に入った槍が光っているのが私の目に映る。
そしてさっき聞こえてきた音楽が止まったと私が思った瞬間、ドラゴンは空中で羽を動きを止めた…かと思うとゆっくりと、地面に落ちてきた。

ドーン!と響く洞窟内。濛々と立ち上がる砂煙。

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追憶の紋章 【7】ドラゴンスレイヤー -09-

Category : 追憶の紋章【7】
今までの戦いの中でもそうだった。
本当に危険な場面になると、私の頭の中に敵の攻撃が繰り出されるより一瞬早く、鮮やかにイメージとして浮かび上がる。伯爵の屋敷で始めて魔法士に自分自身の魔力の適性を見てもらった時に、魔法士が言っていた事。

- 魔力値の高さとは関係の無い、別の適性があるかもしれません。

魔法士が言った変わった能力、それがこれだった。
ほんの一瞬だけれど、私には相手の次の攻撃のイメージを読み取ることができた。
しかしその一瞬を読み取れる事は、戦いにおいて何よりも有効だった。
軍の兵士の中では体も小さく他より非力な私が、今までずっと戦いにおいて勝利してきた理由。それは小さい体を活かした身軽さと、この特殊な能力のフルに活用してきたからこそだ。

「無茶だよ、リッちゃん!」
ただそんな特殊な能力が私にあったとしても、やはり今している事が無謀な賭けだということはわかっていた。ドラゴン相手に、それがどこまで通用するか。
でもこの固い鱗に覆われたドラゴンの体に、ただやみくもに剣を振るい弓を放ってもダメージはない。弱点の腹を見せる隙さえも見せない。
ならば危険な賭けもして見なければならないだろう。

ドラゴンはすぐに首を動かし、琥珀色に輝く瞳を私に向けてくる。
私も態勢をすぐに整え、またドラゴンの正面に立った。
正面から見たドラゴンの様子は、自分の攻撃を寸前で何とかよける私に、少し苛立ってきたように見えた。ドラゴンを一瞬体の動きを止め、じっと私を見つめてくる。
ほんの刹那な時間、私とドラゴンはまた睨みあったとかと思うとドラゴンの目がキラリと光った。

これしかない、中に入れるには、これしか…。

私の頭の中に鮮やかなイメージが浮かび上がる。次にドラゴンは口を開いて…。
恐ろしい炎を噴出そうとする為に、ドラゴンの口が開いたその瞬間!
「や!」
私は槍を思い切りドラゴンに向かって投げ放った。
ガッ!と何かに当たった音がしたかと思うと、すぐにこれまでで一番大きなドラゴンの咆哮が聞こえた。

グォォーーン!!

私の投げた槍がうまくドラゴンの口の中に入った!
苦悶の声を上げるドラゴンは、滅茶苦茶に動き回る。
私は動き回るドラゴンの側面に素早く動いて回ると、腰に差した剣を抜き、むき出しになったドラゴンの腹に向けて突き差した。またもやあがるドラゴンの苦悶の声。

「リツさん、剣を抜いちゃ駄目です!」
ドラゴンの血にはどんな毒性があるかわかりませんよ!
アズサの忠告に沿って私は剣をそのままに、慌ててその場から去った。
またすぐに近くの岩影に身を寄せて隠れる。
「今だ!弓兵、前に!」
私の声が洞窟内で響く。すぐに反応した弓兵たちは一斉に身を隠していた岩影から出てきて、あらん限りの弓を放つ。その内のいくつかは、ドラゴンの弱点である腹に突き刺さった。
再び響き渡るドラゴンの苦悶の咆哮。

ドラゴンは口の中の槍と、腹に突き刺された剣と矢の痛みからか、洞窟内を無茶苦茶に暴れまわった。尻尾を振り回し、羽をばたつかせるたびに壁にぶつかり、そのために上から大きな岩が落ちてくる。

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追憶の紋章 【7】ドラゴンスレイヤー -08-

Category : 追憶の紋章【7】
ユイの顔をちらりと見た途端、私はあの青い石の事を思い出した。
そうだ、あの石を…。
「ユイ、あの青い石だけど、剣じゃなくてこの槍に入れ替える事は出来るか?」
私はユイに持っている槍を見せる。
「え?あ、昨日教えてあげた呪文を唱えて、その槍先にリッちゃんつけようと願えば…」
「わかった」
ユイに返答した後、現在の洞窟内の状況をざっと確認する。

第二隊は全員、なんとか洞窟内を後退して、それぞれ岩影などに隠れられたようだ。
簡単に状況を確認した後、私はドラゴンの居る方に視線を戻した。
視線の先には首をゆらゆらと動かしているドラゴンと…そしてドラゴンの目の前で倒れている殿下の姿が映った。
「で、殿下!」
戦いの最中、殿下の身を案じて時折様子を見ていた私だが、今は一つの考えに支配されてうっかり目を離していた。幸いドラゴンは先程までの激しい攻撃を止め、ゆらゆらと頭を揺らしたままそれ以上は動かない。目の前に倒れている殿下の姿に、まるで気付いていない様子だった。このドラゴンはどうもムラ気があるというか、行動がイマイチ読み取れない。
しかしお陰で殿下はまだ無事だった。

殿下の身を案じながらも、私は一旦楯を前に出したまま素早く後ろに下がった。
岩陰に隠れるようにして身を縮め、小さな声で呪文を唱えると、洞窟内に入る前に剣に埋め込んでおいた青い宝石が現れた。
私はそれを手に取り、呪文を唱えるとさっき拾った槍の先に埋め込む。
そしてすぐに、頭や服の上から身につけていた重い冑も鎧も全て脱ぎ捨てた。
少しでも身を軽くするためだ。

「リッちゃん?」
いきなり鎧を脱ぎだした私に、ユイが訝しげな声を上げた。
「…一つ試してみたいことがあるんだ」
右手に槍、腰にいつもの剣をつけただけの身軽な体になると、ユイを見ずにそう言って大きな一つ息を吸って吐き呼吸を整える。
王家の始祖がドラゴンを倒す際に使った石。
この青い石にどのような効果があるかはわからないけれど。

- 祈りの乙女と同じように、ずっと私もリツの無事を祈ってる。

ミオの言葉が私の頭の中をさっと横切った。
今この時、王都に居る彼女の祈りの声が、私の耳にはっきりと聞こえてくるようだった。

…大丈夫、私は一人じゃない。

「リッちゃん!?」
ユイの叫ぶ声を耳にしながらも、私は楯も持たずに岩影から出てドラゴンの正面に躍り出た。
黒く大きな塊がこちらを向き、何の感情も見られないような冷たい、だが美しい琥珀色の瞳が私を見下ろしている。その瞳を見た瞬間、私の体中どっと汗が噴出した。
「早く逃げろ!」
後ろで倒れている討伐軍の隊長でもあり、王族の一人である殿下にそう言いながら、私は槍をギュッと握り直す。殿下は何とか立ち上がり、逃げようとして一瞬私の身を心配してくれたのか、多少逃げるのにまごついた。
「いいから、早く!」
私はもう一度大きな声でそう叫ぶと、殿下は足をふらふらさせながらも、必死にこの場を離れていった。

「リツさん!」
アズサの叫び声を聞く前に、私は飛び上がっていた。
ドラゴンが尻尾をムチのようにしならせ、私の横から襲いかかってきたからだ。
甲冑も楯も捨て身軽になっていた私は、なんとかそれをよけた。だが着地がうまくいかず態勢が崩れる。ギリギリの状況だ。だが私には、ドラゴンが尻尾で攻撃するイメージが、実際に攻撃の受ける少し前から、鮮やかに頭の中に映っていた。
だからよけることができたのだ。

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書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
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ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

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