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追憶の紋章【3】 -あとがき-

Category : 追憶の紋章【3】
ミオちゃんはミオちゃんで苦労しておりました。
でもミオちゃんにはムギちゃんが付いてくれています。

ムギちゃんの協力の元、ようやく再会した二人。
二人きりになった途端ラブラブイチャイチャしてます。
が、本当にたまーにしか二人きりで会えません。

そんな現状を変えようとして、リッちゃんがますます努力します。
ミオちゃんはリッちゃんの努力を嬉しく思いつつも、心配で仕方ありません。

それではまた次のお話で。ではー。

「追憶の紋章【3】 秘めた逢瀬」を読んで頂きありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

追憶の紋章 【3】 秘めた逢瀬 -10-

Category : 追憶の紋章【3】
「…リツ?」
少し押し黙っているような私を、ミオ心配そうな顔をしながら上目遣いに私を見つめてくる。
「一緒に居られるようにする」
私は静かな口調でそう言いながら、彼女の髪に優しく触れていく。
「危ない事、するの…?」
私の服の袖を握り締めながら、そう聞いてきたミオの表情は憂い顔だった。
「…」
確かに危険な橋を渡らなければならないだろう。
昔のように、ミオと一緒に暮らせるようにするためには。
たとえ今この場に居る時は幼馴染の二人でも、一歩部屋から外へ出れば一国の王女と只の騎士なのだから。

「お願い、危険なことなら止めて」
我慢するから。
そう言ったミオの声は少し涙声だった。
「大丈夫だよ」
私はそう言うとまた彼女の唇に、自分の唇を触れ合わせた。
ミオも嫌がる事なく私と唇を合わせる。
「心配いらない」
唇をそっと離した後、彼女の不安が少しでも取れるようにと思いながらそう言って、私はまた彼女を強く抱き締めた。腕の中にいるミオの温かさを感じながら、私の頭の中ではまた伯爵の言葉が何度も繰り返されていく。誰もが、王ですら認めるような手柄。

…今の私はそれを誰よりも切に望んでいるのだ。

To be continued…

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追憶の紋章 【3】 秘めた逢瀬 -09-

Category : 追憶の紋章【3】
何度か入ったその部屋の中は、一国の王女に相応しい美しい装飾が彩られた家具が整然と置かれていた。至る所に置かれた蝋燭の照明が部屋を明るくし、どこからか心を落ち着かせるような爽やかな香りが私の鼻腔をくすぐる。
「リツ…」
ミオは私の名前を呼ぶと、すぐに駆け寄けよって来てそのまま私に抱きついた。
「リツ、リツ」
「…ミオ」
私の首の後ろに手を回すミオ。
そんな彼女の背中に私も手を回して強く抱き締めた。

十五の時に叙任式でミオと再会してから、私たちは時々こうやってムギの協力も得て、二人で隠れて会うようになっていた。
あの式上でミオもすぐに目の前の騎士が私だと気付いてくれた。
騎士になって王宮勤めを始めてしばらくするようになってから、ムギが時々私と同じ警護の当直に当たるようになった。彼女と話をして、ミオが会いたがっていると教えてもらった。
ムギの手筈でようやく二人きりで会えたのは、私達が叙任式で再会してから半年もたった後で、その時私はもう十六になっていた。
その時も、こうしてこの部屋で私はミオを強く抱き締めた。
ミオも私を抱き締めてくれた。ずっと会いたかったと泣きながらそう言ってくれた。
私はその涙を受け止めるので精一杯だった。
…とうとうここまで来たんだ。
そう思い、胸にいろいろなものがこみあげてきたのをよく覚えている。

私達は一度口付けを交わしてから少し体を離す。
「リツ…」
「行くっていったろ」
二人きりになればもう姫でも騎士でもない、施設に居た頃と何も変わらない二人。
数年たってようやく再会することが出来た私達は、まるでそれがずっと以前から決められていたかのように…すぐに恋に落ちた。
いやずっと前から落ちてたんだ。少なくとも私は。
「ずっと会いたかった…」
ミオを抱き締めながら、私は彼女の耳元でそう囁いた。もう何度も言ったような気がする。
「私も…」
王女殿下の部屋のなかで、幼馴染の私たちはしっかりと抱き合っていた。
こうやって私達が二人きりになれる時間はとても短い。ムギに協力してもらう僅かな間だけだ。
だから私達は一秒だって無駄にしたくなかった。
近くのソファに座ってミオを抱き寄せる。彼女は私の胸に頭をつけて目を閉じていた。

「…もっと一緒にいたいよ」
ミオが静かにそう呟いて私の服をギュッと掴む。その声はどこか悲しそうだった。
彼女の髪に優しくキスをしながら、私は頭の中で以前伯爵と交わした会話を思い出していた。

- 誰もが、王ですら認めるような手柄を立てるしかあるまい。

「赤枝の騎士」の称号だけでは足りないのだ。

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追憶の紋章 【3】 秘めた逢瀬 -08-

Category : 追憶の紋章【3】
近衛騎士のほとんどが、貴族の子弟で構成されている。
その中で平民出の騎士は、私を含め本当にごくわずかだ。そのせいか他大勢の貴族出身の騎士からは、平民出の騎士は多少軽く見られている傾向があった。
それでもそれをあからさまな態度で出す者は少ないが、若くして「赤枝の騎士」の称号を得たのが平民出身というのは、やはり貴族の方々には少々勘にさわるものらしい。

「剣の腕がどれほどの程のものかしらんが、いい気になるなよ」
王宮警護の点呼の確認の際に、侯爵家の一門に連なる上官の騎士から、いちいちそのような嫌味の一つをありがたく受けることもしばしばあった。
そんな時、私は決まって「は!」と短い一言で敬礼を済ませる。
私自身は何を言われても、いちいち気にしてはいなかった。
彼らの反感を気にしていては何もできない。

「ええ、私と一緒なのでご心配ありません」
少しも気配を感じさせず、私の横に来て上官にそう言ったのはムギだ。
上官はムギが現れると、やや不満そうな顔をしながらも私への嫌味を止める。
「…心引き締めるようにな」
「は!」
まだ何か言いたそうだったが、口を噤んでこの場から離れた。

「ムギ」
「あいかわらず嫌味言われてるわね、リッちゃん」
金髪に近い薄茶色の長い髪をくくり、紺地に青と銀色のラインが入った魔法騎士の正装を着たムギは、同じ近衛騎士でも剣を主体とする騎士ではなく、魔法を使う魔法士だ。
「慣れてる」
「本当に気位ばかり高くて困るわね」
そう言ってふふ、と笑う彼女は実は今の王室に縁なる公爵家の出だ。
ある意味一番気位高くても不思議ではないのだが、なぜか初めて会った頃から私に気さくに話しかけてきた。
私は以前、公爵の一族をモンスターから守った事があるが、その一族はムギの親戚筋にあたった。今でもその件でムギには感謝されている。
「リッちゃんのお願いなら大概聞くつもりよ」
初めて会った時にそう言われたものだ。

彼女は同じ近衛騎士といっても、王室に縁なる貴族出身の身分だから、私と同列な訳はない。近衛騎士は一人一人部屋を持つことを許されているが、彼女の部屋は王女殿下のすぐ隣だった。王女とは同性で年齢も一緒だからという理由もあるが、王女の最も近い直属の騎士だからこそだ。
「…ムギ。今日は私と同じ当直だったかな?」
身分や騎士の序列に差はあっても、それでも時には同じ仕事につくこともある。
しかし今日はそうではなかったはずだけど…。
「違うわ」
彼女はあっさりと否定する。
「でもそうなったのよ、もちろんそれは裏工作の賜物。とりあえず行きましょう」
私たちは決められた警備のコースを回り、その後は本来の持ち場に戻るようになっている。
「今日の私たちの最終の警備場所は、王女の寝室の前」
「ムギ」
「姫がお待ちよ」
ニ時間くらいしかあげられないけど。
ムギは申し訳なさそうにそう言った。
「とんでもない。ムギ、いつもありがとう…」
「どういたしまして。ミオちゃんによろしく」
彼女の裏工作とやらに心から感謝をしつつ、私は誰かこないかムギが周りを見てくれている間に、王女の寝室のドアをそっと開けて中に入った。

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追憶の紋章 【3】 秘めた逢瀬 -07-

Category : 追憶の紋章【3】
「うーんと。…へえ功績はすばらしいわね。国境警備による隣国との戦い、多数のモンスター退治と、あら?」
「どうしたの?」
「この間王都近くの街に現れたモンスターを一人で退治したのって、彼女だったのね」
その街はムギの一族が領主となっている土地であり、突然現れたモンスターに領主の令嬢が襲われそうになったのを、リツが助けたという事だった。

「それにしても彼女がどうかしたの?」
資料を片手に、ムギは不思議そうな顔をしながら私を見ていた。
ムギがそう不思議がるのも無理はない。彼女には私の過去をすべて話していて、私がムギ以外の近衛騎士を、なんとなく嫌っていること知っていたから。
「…ムギには前に話したよね、施設に居た頃の話」
「ええ。…まさか彼女がその時の?」
「ちらっとしか見なかったけど。…あれはきっとリツだ」
無理矢理王宮に連れてこられてから五年以上も会っていないけれど、一度だってリツの事は忘れたことはない。
栗色の少しだけ長い前髪。優しい同じ色の瞳。
ああ、もっとちゃんと最初から見とけばよかった。

…それにしてもリツが伯爵の遠縁なんて聞いたこともない。もちろん私だって王女だったなんて十歳になるまで知らなかったから、リツも後で分かったのかもしれないけど。
「でもいくら伯爵が後見人で功績があるとはいっても…」
ムギが今一つ信じられない、といった様子だった。
近衛騎士になるには実力だけではない、他にもいろいろ難しいのだと私も聞いていた。
本当に今日会ったあの人は、私がよく知っている「リツ」本人なんだろうか…。

「お願い、ムギ。リツとなんとか二人きりで会うことはできない?」
「え?う、うーん、ちょっと難しいけど…」
同じ近衛騎士でも王女直属のムギと、今日近衛騎士に任命されたばかりの騎士ではかなり役職が違うだろう。ムギがこうやって気軽に王女である私の部屋で話ができるのは、それなりの地位にいるからだ。それはよくわかっているけれど。
「お願い、ムギ!」
「…わかったわ。とにかく何とかしてみる」
苦笑しながらもそう言ってくれたムギに、私はどれほど感謝してもしきれない。
「ムギ、ありがとう」
そう言って頭を下げる私に、彼女はニッコリと笑ってくれた。

ああ、それにしても彼女は本当にリツなんだろうか?

不安と期待が一緒くたになって、私の心はぐらぐらと揺れ動いていた。

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Author:書き人知らず知らず
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