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久々にリラクマ+拍手のお返事です。

Category : SS( リラクマ 【5】 )
梅雨明け遠く、なんともじめじめした天気が続いてますね。
暑いのも寒いのも苦手な書き人知らずでございます。

7月はまたちょっと仕事が入って、忙しくなってきたので少し更新が留まるかもです。
ですが、隙間を見て書くのは毎度のことでやんす。
てなわけで久々にリラクマ書いてみましたー。
読んでやるぜーな御方は下記よりどんぞ。

***

朝。
いつも通りの時間に家を出た私は、もうだいぶ通い慣れた通学路をゆっくりと歩いていた。
秋の気配がようやく漂い始めた今日は天気も良く、頬に当たる風が心地いい。
そんな穏やかな気候の中、学校へと向かう間ずっと私は頭の中で歌詞を考えていた。

軽音部から依頼され、文芸部の前部長及び現部長からも許可を得た私は、最近ずっとこんな調子で時間があれば歌詞を考える日が続いている。
すでに昨日の時点でもいくつか作っており、それを今日の放課後軽音部の皆に見せる予定なのだけど、私自身がまだ納得出来ない部分なんかもあったりして、歩きながらもあれこれと言葉遊びにも似た思いを頭の中で巡らせていた。

「うーん、ここまで来たから、ううん。ここまで来たら…本気よ…」
考えている途中で歌詞の一部分をつい口に出してしまい、思わず恥ずかしさで立ち止まって周囲を見渡したりしてしまう。そんな事を何回か繰り返しながら歩いていると、ふと少し先を歩く同じ高校の男子生徒を見つけて私はハッとなった。

前を歩いていたのは桜ケ丘学校軽音部の部長で、私の…幼馴染。
鞄を肩にかけ、両手をポケットに入れながら歩く彼はまだ少し眠いのか、大きな欠伸をしているのが後ろ姿からでも何となくわかった。
珍しいな、と私は思わず内心でそう呟きながら、彼の後ろ姿をそっと見つめる。

田井中君…りっちゃんは昔から朝は苦手みたいで、小学校の時も中学校の時もいつも遅刻スレスレの時間に来ていた。そんな彼が高校生になった途端、急に早起きになったとは考えにくい。実際お互いの家が近い私たちだけれど、朝彼にばったり会うことは今までなかったし。

たまたま彼が今日だけ何かの理由で早く起きたのかどうか。
それはわからないけれど、それはともかく私はどうしようかとしばし迷った。
早足で歩いて彼に隣に行き、「おはよう」と何気ない感じで軽く挨拶をしようかどうかと。
前の私ならそんな迷いは出なかったと思う。
というか迷う以前に、そんなこと絶対出来ないと思っていただろうから。

幼馴染の私たちは子供の頃はしょっちゅう一緒にくっついていたけれど、大人になるにつれだんだんと疎遠になっていったから。中学の時だったほとんど話はしなかったし、高校生になってもそれは続いていた。…この間までは。

でも今は違う。

「歌詞を作って欲しい」と軽音部に所属する琴吹君から最初そう依頼されて、後で部長である田井中君からも正式にお願いされた今では、私はすでにいくつかの歌詞をつくり、それを何度か軽音部の皆に見てもらっていた。

最初の時はもう心臓が飛び出すのではないか、とそう本気で思ったくらい私は胸をドキドキさせながら、恐る恐るそれぞれに歌詞の感想を聞いてみると、その反応はけっして悪いものではなかった。軽音部の部室に行くと、いつもそれはそれは見事な手つきで紅茶を淹れてくれてくれる琴吹君は、「さっそく歌詞に合わせた曲を作るよ」と言ってくれたし、平沢君も「いいよ、いいよ!」と言って喜んでくれている様子だった。

いくつか提案や修正の希望などがあったけれど、全体としてはどうやら好評を得ることができたようで、二人の感想を聞いた後で私は心からホッとしたのを覚えている。ただ私の歌詞を読みながら「うん、なるほど、なるほど」と満足そうに頷きつつも、背中を手で何度も掻く仕草を見せる田井中君の様子が気になったけれど…。

「よし」
私は何かを決意したかのように小さな声を出すと、手をぎゅっと握りしめながら歩くスピードを早めた。眠気がまだ抜けきっていないのか、だるそうに歩く彼との距離を縮めるのは時間の問題だった。もう前の私とは違う、今の私なら彼に声をかけてもおかしくなんかないよね。
そう思いながらあともう少しといった処で、私は勇気を出して声をかけようとした。

「律」
「ん…?」
もうあとちょっと、といった処で横から彼の名前を呼ぶ声がしたかと思うと、一人の女の子が彼の隣りに並んだ。
「おはよ、律」
「ああー、ふぁあ…、おは、いちご」
「なんだかまだ眠そうね」
「ああ、今日は時計が狂っててさ。いつもより早く起こされてなー」
昨日は夜遅くまでゲームしてたしよ。なんかまだ頭が起きてねー感じだよ。
そう言うと、彼はまた一つ欠伸をする。
「道理でね。律がこんな早く学校に来てるなんて、何かの間違いだと思ったけど」
「なんだよ、それ。俺が早く来たらおかしーのかよ」
「当り前でしょ。いつもギリギリに教室に駆け込んでくるくせに」
女の子が冷静な口調でそう言うと、「ま、それもそーだな」と彼は笑ってそう返した。

…あの子誰?
私は突然現れた、彼と仲の良さそうなその子に目が釘付けになった。
同じ制服を着ているから、間違いなく同級生の一人であるのは間違いないだろう。
それに話を聞いていると、どうやら彼女は彼と同じクラスの子みたいだ。
それにしても…。
彼女は田井中君のことを「律」て呼び捨てにしてるし、彼も彼女のことをたしか「いちご」て呼んでたし。いちご、て名前なのかな?それともニックネーム的なものかな?
いやそれはともかく、なんだか二人はとっても仲が良さそうというか、なんというか。

「おはよう、秋山さん」
「ひゃ!」
適度な距離を保ちつつ、後ろから並んで歩く二人を見つめていた私は急に声を掛けられて思わず声をあげてしまった。
慌てて振り返ると、そこには琴吹君がいつもの温和な笑みを浮かべて立っていた。
「あ、お、おはよう、琴吹君」
「あ、ごめんね。驚かしてしまったかな?」
「え?あ、ううん。ちょっと考え事してたから」
だから気にしないで、と言った後、私たちは自然に二人して歩きだした。

「考え事、て。もしかしてうちの部に提供してくれる歌詞の事かな?」
「う、うん。そうなんだ」
それも考えていたけれど、さっきのは別件です…。
内心でそう思いつつも、私は咄嗟に誤魔化した。
「昨日もいくつか作ってきたんだ。良かったら放課後また見てくれると嬉しいんだけど」
「もちろん。我が部への惜しみないご協力感謝します」
琴吹君はそう言うと、とても優雅な動きで私に頭を下げてくれた。
なんだか琴吹君はそんな姿がとっても様になっていると思う。

「いいよ、別に。私も好きでしてるし」
「いえいえ。とても感謝していますよ。その証拠に感謝の気持ちを御礼の言葉だけでなく、何か別の形で表してみましょうか」
「え?あ、いいよ、別にそんな…」
何かプレゼントとか、とでもいわれたら私は困ってしまう。
そんなつもりで私は歌詞を書いている訳ではないし…。

「形といっても物ではなくて、有益な情報とか」
「情報?」
「ええ。例えば僕たちの少し前を歩く、我らが軽音部の部長…の隣で一緒に歩いている女の子の事とかね」
「…え?」
琴吹君の視線の先を辿っていくと、そこには彼の隣を歩く女の子。

「彼女は僕たちと同じクラスで、名前は若王子いちごさん」
常に無表情で、一見クールな処がある意味魅力的。そんな新体操部に所属する若王子さんは、感情豊かな方で年中お祭り男の陽気な律君と、意外に気が合っているみたいですね。
前を歩く二人を見ながら、どこか楽しそうに琴吹君は話している。

「若王子さん…」
私も琴吹君と同じように前を歩く二人を見てみると、何がおかしいのか楽しそうに笑う田井中君とは対照的に、若王子さんは無表情のまま何かを話しているようだった。
「まあ、律君は基本的に誰とでも仲良くなれる、とても好ましい性格ですから」
「…」
「でもそれが時には仇になるかも…とは言い過ぎかな。とにかくあんまり気にしなくてもいいと思いますよ、秋山さん」
「琴吹君…」
彼の言葉の意味を私はなんとなく図り損ねた。
でも一つだけわかったことは、間違いなく琴吹君は私の気持ちに気付いていて…。

「おーい、紬君、秋山さん」
少し琴吹君の言った意味を考えていた私は、後ろから声を掛けてきた平沢君の声で考えるのを止める。
「唯君。おはよう」
「おはよう、平沢君」
「おはよう、紬君、秋山さん」
二人一緒なんて珍しいねー、と言いながら平沢君は琴吹君の横を一緒に歩く。

「唯君、秋山さんがまた歌詞を考えてきてくれたんだって」
「え、そうなの。助かるなー」
「お気に召すかどうかはわからないけど」
「召す、召す。僕はけっこう好きだよ、秋山さんの歌詞」
「そ、そう」
平沢君の言葉に私は少し照れながらも、内心ではすごく嬉しかった。

「僕もそうだよ」
「ありがとう、琴吹君、平沢君」
二人の言葉に嬉しく思いつつも、私は少し気になっていたことを思い切って聞いてみた。
「あの…田井中君は何か言ってた?」
前に雨の日に一緒に帰った時に彼が言った通り、彼は私の歌詞に対して自分なりの意見をちゃんと言ってくれていた。
それに対しては、私はなるべく彼の意見も取りいれたいと思っている。
だからその点は別に全然構わないのだけど、彼が話をしながら時々背中を掻くのがなんとも気になるというか…。

「ああ、律君は気にしなくていいから!」
「そうだよ、秋山さん。あれは彼のクセだから」
私の話を聞いた途端、二人は声を揃えて「気にしないで」と言ってくれた。
二人がそう言ってくれたお陰で、私は少し気分が楽になった。
やっぱり今後も自分なりに納得した歌詞を頑張って作っていこう、とそう新たに決意する。
…でもやっぱりまだ少し気になるけどね。

私は前を歩く田井中君と若王子さんの様子を見ながら「気になることがまた増えたかも」と、内心でポツリとそう呟いた。

end


時期は「先輩たちの事情」の続きです。
軽音部に出入りしてだんだんとなじんでいってる澪ちゃんは、只今はりきって歌詞を考え中。
そんな彼女に感謝しながらも、メルヘンチックにあふれた歌詞にどうにも背中がうずく律ちゃんです。紬君や唯君は、案外澪ちゃんの歌詞を受け入れ気にいっています。

さて今回は歌詞の件はともかくとして。
律ちゃんの恋のライバル?が真鍋君なら、澪ちゃんの恋のライバル??はいちごちゃん。
ヘタレな律くんと鈍い澪ちゃんは、相変わらず無駄な心配が止まりません。
そんな二人をフォローしようと思う紬君ですが、内心では三角だか四角関係になりそうな(と勝手に彼は妄想してます)律ちゃんと澪ちゃんの現在の状況を楽しんだりもしています。

もちろん本来彼は二人の恋が成就する事を心から願っていますが、それはそれ。
己の楽しみも忘れない男。それが琴吹紬。
ちなみに唯君はさほど深く考えていません。おもしろい方に流れるばかりです。

今回のお話は律君視点の方も一緒に書く予定でしたが、ちょっと時間がないので先に澪ちゃんの方をUPしました。次回で律君視点のお話をUPします。
それではー。

いつもたくさんの拍手を頂き、本当にありがとうございます!

続きから拍手のお返事です。

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