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短編「飲みにケーション」

Category : 飲みにケーション
お酒を飲んだ女の子は、いつもより倍可愛くなる。
…みたいな法則があるかどうかは知らないですが。
とりあえず澪ちゃんにそれを当てはめてみたお話です。
どんな風に澪ちゃんが甘えるか気になるな、読んでやるぜーな御方は下記よりどうぞ。

飲みにケーション

神様どうもありがとうございます!

「りちゅ~」
「は、はい」
「もっとぎゅ、して」
「アイアイサー!」
澪が、あの澪がこんな人前で私に「ぎゅ」だって。きゃはー!
私は澪の望み通り、ぎゅうとその体を抱き締めた。
いや、大きくなったね、澪ちゃん。育ったね、それはもういろいろなトコが…。

「りっちゃん幸せそうだね~」
いつもの呑気な口調でそう言った唯の言葉に、私はハッと我に帰った。
うう、それは否定できない…けど!
確かに幸せだが、さすがに一時間以上この状態だとちょっと恥ずかしくなってきた。
「み、澪。ちょっと離れようか」
「えぇ~、ヤダ」
私が澪の肩を押して体を離そうとした。
だがすぐに澪は不満の声をあげて、ますます私の体に抱きついてきた。

「い、いや、ほら唯たちも見てるし…」
「あ、どうぞ私たちの事は、その、お気になさらないで下さい」
「…」
にっこりと笑っているけれど顔赤いよ、憂ちゃん。
「いや、できればそういうのは、どちらかの家でやってください」
声は冷静だけど憂ちゃんと同じように顔を紅くしている梓。
「どっちでもいいよ~、私は」
梓に抱きつきながらこの状況をのんびり見ている唯。

「み、澪」
「りつー」
さっきからずっと私に抱きついている澪。
いや、嬉しい。今のこの状況は嬉しいんだけど…。
ついさっき神様にお礼を述べさせていただきましたが。
今となってはちょっと冷静になってきた頭だか理性だかのせいで、かなり恥ずかしい気持ちになってまいりました。それに澪が後で正気に戻ったらきっと恥ずかしさでどうしようもなくなって七転八倒した後、間違いなく私に拳骨をニ、三発は落としてくるに違いない。

「澪、ちょっとだけ、ね…」
あー、ほら平沢姉妹と中野がちらちらこっち見てるよ、澪。
ここはもったいないけど、一度離れないと。
「りつー、りつー」
さっきからずっと私の名前を呼ぶ澪。
うわ、上目ずかいとか反則です!眩しい、見たいけど見てられない。
可愛いなあ!もう!前言撤回、は、離れられねー!
「りつ、りつ」
「な、なんだよ」
「ちゅーして」

ゴオオオオン…。

私の頭の中のどこか遠くで、諸行無常の鐘の音が鳴り響いた。

「おお、澪ちゃん、大胆!」
「だ、駄目だよ、お姉ちゃん。見たら悪いよ」
「なんでこんな状況に…」
口々に話す三人。でも目はばっちりこっちに向けていますね。
「い、いや。何言って…」
「ちゅー、して」
ははは。これは何の罰ゲームだ、ええ?
「嫌、なのか、…律」
上目使いに少し涙目がプラスされた協力コンボ。嫌なわけあるか!しかし…。
「嫌なわけないけど。ほらやっぱりここではちょっと」
さあ、そろそろ思い出そう、澪!ここがどこだか。
けっして私か澪の家のどちらかじゃあないぞ!

私の返答にムっとする澪。
「律、嫌なんだ」
「いやいやいや。嫌とは言ってない!」
「じゃあ、ちゅー」
神様のいけずー!
ああ、こんな可愛い澪を見るのは何年ぶりかしらん。
いや、澪はいつだって可愛いけど。しかし、可愛いなあ、おい!

「りっちゃん、私たちのことはお気になさらず」
狸の置物か何かと思ってくれればいいから。
ありがたいお言葉を言ってくれる唯、てかお前完全に楽しんでるだろ…。
「ムギ先輩がいなくて良かったですね」
こっちをガン見しながら冷静に言うのはやめろ、梓。
「お姉ちゃんも梓ちゃんも、上に行こうよ…」
ああ、憂ちゃん。君が天使に見えるよ。いっそそうしてもらえれば…。
「ええー、いいじゃん、別に」
「まあ、部室では日常茶飯事なことですしね」
待て待て待て!唯とはともかく、聞き捨てならんな、梓!

「ぶ、部室でこんな状態の澪を見たことあるのか!」
「今のこの状況と大して変わらないときけっこうありますよ、律先輩。」
これまた冷静に答えてくれる顔が紅い後輩。
「な、なに!」
そ、そんな覚えはこれっぽっちも…。
「部室は言い過ぎだよ、あずにゃん」
「そうですか?」
そうだ、唯。先輩としてビシッと言ってやってくれ!
「そうだよ、せめて夏の合宿の時と同じくらいって言ってあげないと…」

待て待て待て待て待て待て!夏の合宿がなんだってー!?

「そうですね。確かに今の状況は昨年の夏の合宿の際に…」
「な、なんの話だよ!合宿って…」
も、も、もしかして見られてた、あれを!?
え、あれって?、あれです、あれ。いや、あれであの…。

「あ、気にしないで、りっちゃん」
「そうですよ、律先輩。とりあえず澪先輩泣いてるんでなんとかして下さい」
私は合宿の件でどこまでも二人を追求したい気持ちにかられたが、梓に言われて慌てて澪の方に振り返った。
「わ、な、泣くな、澪」
「りつは、やっぱり、嫌なんだ~」
拗ねているのか泣きながら抱きついてくる澪。ああ、もう!

「さ、りっちゃん。澪ちゃんが泣いていることだし」
「…だったら、せめて後ろ向くとかしてくれないか」
三人でガン見してるんじゃねえ!
ついさっき天使と思った憂ちゃんまで、紅くなりながらも結局こっち見てるし。
「まあまあ」
まあまあ、じゃない!
私にだって人並みの羞恥心はあるのだよ、唯君。

「やっぱり嫌なんだー、律のバカー」
どうにも羞恥心がブレーキとなり、いつまでも行動に移さない私にとうとう澪がキレた。
「い、いや。だから嫌とかじゃなくて」
「もういい!梓!」
「へ?あ、はい?」
酔っ払った澪に急に名前を呼ばれて、梓はびっくりしながらも律儀に返答する。
「律!私は梓とキスするからな!」
「な!?」
「え!?」
突然のキスの矛先が方向転換になって驚く私達。な、何を言って…。

「澪ちゃん、それは駄目だよ」
驚きでやや固まっていた私たちに代わって、唯がストップをかける。
「なんでー、唯?」
澪は舌足らずな口調で唯に聞いている。
「あずにゃんは私としかキスしちゃ駄目だから」
「えー」と不服そうに声を上げる澪。

「なななな、何言ってんですか、唯先輩!唯先輩としか駄目ってなんですか!てゆうか変なこと言わないで下さい、ほ、ほら憂が誤解して涙目になってます!」
「え、え、お、お姉ちゃん、梓ちゃんとその、キ、」
「ううん、まだそういうのしてないよ、憂。てゆうかこれ、今決めたばかりのルールだから」
「そっか~。驚いちゃった」
安心したように笑顔でそう言う憂ちゃん。
「そうだよ、そんなことしてない…てゆうか、なんですそのルール!勝手に決めないで下さい!」
梓が断固抗議している。

「むー、じゃあ憂ちゃんにする」
唯の制止を素直に聞いた澪は、ターゲットを変更したが…、
「姉として駄目!」
即座に入る再度の駄目出し。
妹の貞操は護ります!と叫んで澪の前に立ちはだかる唯。
「むー、唯のケチ!」
唯に再度駄目出しされた澪は、拗ねたように口を尖らせた。
「澪、いい加減目を覚まして…」
なんて絡み酒だ。もう興味本位で澪にお酒を飲ませるのは止めよう、と心に固く誓う私。

「じゃあ、もういい…」
おお、ようやくあきらめてくれたか?
はたまた廻り回って私に戻ってくるか?バッチコーイ!…て駄目だけどさ。
「唯にする」
あ、そういえばまだ一人残ってましたね、澪しゃん…。
「いいよ~」
さっきまで駄目出しの連発だった唯があっさりと承諾。オイ。

「だ、駄目です!」
「あ、姉の貞操は私が護ります!」
しかし唯の左右からダブルで駄目出し。それにしても憂ちゃんはともかく…梓?
「え~、私は別に構わないよー」
「なんで自分の時はルール無しなんですか!」
「お、お姉ちゃん。やっぱりそれは律さんに悪いし…」
二人の駄目出しの理由がなんて重みのないことか。

「もー、じゃあ、誰ならいいの!」
澪が拗ねてるんだが、怒ってるんだかわからないような声でそう叫んだ。
てゆうかこの状況では誰でも駄目なんです、澪さん。
しかしそう思っていたのは私だけで、残り三人は同時にそれぞれ指で「この人ならどうぞ」と意思表示するように示した。梓と憂ちゃんは私に指を向けていたが、唯は…おい、唯、お前はなんで自分の方に指向けてんだ!
「いつでもウエルカムだよ、澪ちゃん」
両手を広げて笑顔満面の唯。コラコラコラコラゴラァ!

「唯先輩!」
「お姉ちゃん!」
後輩ズから睨まれ、慌てて指を私に向ける唯。どこまでもフリーダムな奴。
「…律」
「うう」
とうとう戻ってまいりました。
はぁ。なんか、もう面倒くさくなってきた。腹くくるべき?
「律」
「あー、えーと」
「まあ、やっぱりこれが自然の理だよね。さあ、りっちゃん、どうぞ」
「…携帯をこっちに向けながらそう言うのは止めてくれないか、唯」
憂ちゃんは「メッ」と軽く叱って唯から携帯を取りあげた。

ありがとう、憂ちゃん。
天使じゃなくても君は今、ここに居る人間が失われた最後の良識ある人だね。
そうさ、たとえ天使じゃなくても構わない。
…だからこっちをガン見するのは止めてくれないか。ついでに梓も。
しかしどう言っても無駄な様子の三人に、私はもう何かいろいろ諦めた。
もー、しょうがない。後で怒るなよ、澪!

とうとう決断した私が澪の肩に手を掛けて、徐々に顔を近づけようとする。
見えないけれど、横から複数の視線が肌に刺すように感じられた。
ええーい、もう、ままよ!
「…律」
「…え?」
もう後少しで唇を合わせようとした刹那、澪が私の名前を一度呼んだかと思うと顔を下に俯かせた。ん?
「澪ちゃん?」
「澪さん?」
「澪先輩?」
三人が同時に澪に声を掛けてくる。つーか、やっぱりガン見してたのね、皆さん…。

「澪?」
「気持ち悪い…」
「え?」
急に手を口元に当てて、気分が悪そうに苦しい息を吐く澪。あら、これはもしかして…。
「は、吐きそう」
やっぱね。
「あ、だ、大丈夫ですか、澪さん」
「み、澪先輩。ト、トイレ行きましょう!」
澪は憂ちゃんと梓に抱えこまれるようにトイレに連行されていった。
その時私はといえば、いわゆる寸止めくらった形になったわけで。
しばらくその場に呆然と立ちすくんだ。

「り、りっちゃん…」
私は気の毒そうに何か私に声を掛けようとする唯を、右手を挙げて制止する。
「いや、いいんだ、唯。わかってたんだ。…こんなお約束がくるんじゃないかって」
「りっちゃん、…成長したね」
「ふ。もうすっかり大人さ」
私の肩にポンと手を置いて感心したように言う唯に、私は爽やかに笑ってみせた。

今度私の家で誰も居ない時に澪にお酒を飲ませよう。

内心でそう固く誓いながら。

end

ああ、短編書いたの久しぶりのような…。
当ブログの律ちゃんは、ヘタレがよく似合います。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
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ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

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