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君の側にある旋律 【20】 -あとがき-

Category : SS( 君の側にある旋律 【20】 )
「表」の世界と「裏」の世界を行き来する律ちゃん。
澪ちゃんが居る場所こそが、律ちゃんの「白い世界」。
それ以外は基本的に「闇の世界」だと律ちゃんは思ってます。

律ちゃんと同じ闇の世界に生きる唯ちゃん。
彼女に律ちゃんはちょっぴり親近感を持ちつつも。
ライバル心も、まあなくはない…といった感じです。

次回からは二学期に入った学園が舞台になる事と思います。
たぶん、きっと。まだ何も考えていないので何とも…。
それでは、また。ではー。

「君の側にある旋律【20】黒と白の世界の合間に(後編)」
読んで頂きありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

君の側にある旋律 【20】黒と白の世界の合間に (後編)-08-

Category : SS( 君の側にある旋律 【20】 )
律はもう一度お湯の中にその身をゆっくりと沈めながら、その件について考えてみる。
それが我が「主」の身にどう影響を及ぼすのかと。

けっして律は、あのふわふわと捉えどころのない唯を敵対視している訳ではない。
むしろ彼女のことは、結構気に入っているくらいなのだが。
…だが今となってはそんな事、どうでもいいような気さえする。
澪の側に戻ってきた今、律はそう思いなおしていた。

たとえ何者が澪の前に現れ、彼女に何か害意を加えようとしても。
必ず自分が彼女を守る。たとえこの身に代えてでも。
それさえ忘れなければ、何者も恐れる必要はない。
「私は秋山家の眷族。お嬢様の護衛係…」
いつだって律は、自分が置かれた立場を忘れたことなどなかった。

律はプレゼントを受け取ったときの、澪の顔を思い浮かべた。
ちょっと驚いた後、すぐに嬉しそうなった澪の表情。
いいんだ、澪。そんなの大した物じゃない。

澪が生まれて、私と出会ってくれたことに比べれば…。

湯気が立ちこもり、白い壁に囲まれたそこはますます白くなっていく。
静かな山の中で見た、闇の中で唯一存在を明らかにしていた白い雪。
今はそれとはまた別の、手にはとれぬ白い世界が律の周囲を囲んでいる。
…ここは闇のない、「表」の世界。
律は視線を上にあげ、たちこめる白い湯気を見ながら、満足そうな表情浮かべた。

だがすぐに律は何か思い出したように、ほんの一瞬翳りを帯びた笑みを浮かべる。
何か痛みに耐えるように、律は一度目を閉じるとじっと動かなかった。
瞳を閉じてしまえばそこは、先程までの白い世界から一転、何も見えない暗い闇の世界。
ここは私が居る「裏」の世界。
目をぎゅっと固く閉じ、律は体を少し丸めながらそんな風に思う。

…澪とはいつか必ず別れる日がくる。その日はけっして遠くはない。
だがその日が来るまで、私は必ず我が「主」を…澪を守る、と律は自分自身に誓う。
それは律の幼い頃からの、唯一つの神聖な誓い。
けっして変わらぬ誓いであり、想いでもあった。

「澪、誕生日おめでとう…」
律は変わらぬ誓いを胸に抱きながら、静かに目を開くと小さくそう呟いた。
律が再び目を開いたここは、湯気に囲まれた元の「白い世界」だった。

end

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君の側にある旋律 【20】黒と白の世界の合間に (後編)-07-

Category : SS( 君の側にある旋律 【20】 )
「…律、ちゃんとあったまってるか?」
深くお湯に浸かりながら、山の中で唯と話したことを思い出していた律。
だがドアの向こうから聞こえる澪の声を聞くと、すぐに意識を学園へと戻した。

「あったまってるよ」
てゆうか、もう熱いくらいだ、と律は内心でそう呟く。
「ならいいけど、私たちのことは気にせずゆっくり入るんだぞ」
私たち、とはムギを含めているのだろう。
「もう遅いのに悪いなあ」
「いいよ。ムギもいいって言ってくれてるし」
「サンキュ。ムギにも言っといて」
お風呂の影で澪が頷いたのを見た律は、もう少し入ったら体を洗おうと考えていた。

「…律」
「ん?まだ、居るのかよ。ちゃんと入ってるってば」
「そうじゃなくて。あの…プレゼントありがと」
「え?…ああ、いや、別にそんな大したもんじゃないし」
雪で濡れてなかった?と聞くと、大丈夫との返事。
律が澪に渡したプレゼントは淡いクリーム色のマフラー。

「なんかすごくあったかいな、これ。肌触りもいいし…」
「そうかな、だったらいいんだけど。まあ、そんな大した物じゃないから」
澪に気を使わせないように、律は気軽な感じでそうは言ったが。
本当は、そこそこに良い値段のする代物だった。
普通の中学生がおこずかいで買うには、かなり無理がある金額。
今回の「鬼」退治の報酬がかなり良かったので、律は結構奮発したのだ。

今、澪が大事そうに手に持っているマフラー。
だがそれは実は、親友がとても危険な仕事をして得た報酬で購入した。
「ありがとう、大事に使わせてもらうよ…」
…そんな事を知る由もない澪は、お風呂のドア越しから嬉しさを隠せないような声でそう御礼を言うと、脱衣場から出て行った。

だがマフラーを購入するまでの経緯はどうであれ、澪の嬉しそうな声を聞いて律は外からだけでなく、体の内側から温かくなっていくような気がした。
「ふふ、あはは」
お風呂の中で、律は何となく笑ってしまった。
ひとしきり笑い、満足した様子の律だったが、ふとある事を思い出すとやや表情を固いものに変える。

平沢本家の長女が今年の春、澪が居るこの学園に入学する。

それを唯本人に直接聞いてからずっと、律の心の片隅に小さく引っかかっていた。

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君の側にある旋律 【20】黒と白の世界の合間に (後編)-06-

Category : SS( 君の側にある旋律 【20】 )
「あー、別に良いのに」
「ま、一応な」
実際本当に助かった。唯が居なければ今頃どうなっていたことか。
内心ではそう思いつつも、口では軽く礼を言うだけの律。

「りっちゃんなら私がしゃしゃり出なくても、多分全部倒しちゃってたと思うし」
「…まあな」
目の前の女陰陽師に感謝はしつつも、律は例えどんな状況になろうとも、自分が何者かにむざむざ殺られる事など少しも想像していなかった。
そう、私は必ず生き残る。そして必ず…。

「だったら尚更、御礼なんていいんだよー」
唯の能天気な声が、律の心をどことなく解きほぐす。
「…とにかくそれだけだ」
律はぶっきろうぼうにそう言うと、またニコニコと笑う唯に背中を向けた。

「あー、そうだ。ねえねえ、りっちゃん」
今度こそ山を降りるために歩き出そうとした律を、唯が止める。
「ん?」
「ちょっと聞いていいかな。確かりっちゃんの通う学校って『桜ヶ丘学園』じゃなかった?」
「そう、だけど…」
なぜ急に学園の話に?と訝しがる律。

「ああー、やっぱり」
「それがどうした」
「私、四月からそこに通うことになったから」
春からよろしくね。
そう言って軽く頭を下げる唯。
「え!?」
唯の言葉に、思わず驚きの声を上げる律。

「りっちゃんも四月から高校生でしょ。あ、あの学校では高等部ていうんだっけ」
「そうだけど、なんで…」
「うん、あのね」
唯の話では彼女の妹がすでに学園に在籍しており、その妹の仕事をサポートするためだとか。
「そういう訳だから。よろしくね、りっちゃん」
じゃあ、またね。
軽く手を振って律に背を向ける唯。

「お、おい」
律が止めるまもなく、唯はふっと気配を消したかと思うと、律の前から姿を消した。

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君の側にある旋律 【20】黒と白の世界の合間に (後編)-05-

Category : SS( 君の側にある旋律 【20】 )
平沢本家の長女、唯とは律は以前一度だけ共に「鬼」退治をしたことがあった。
それは律がまだ初等部に居た時で、実戦に出てまだ間もない頃だった。
唯も同じように、まだそれほど実戦慣れしてはいなかったが、すでにその名は裏の世界では知られていた。

「魔封じの一族としては名門の、平沢家の長女だからな」
秋山家の眷属とはいえ、他の者からほとんど関心を寄せられることもなく、実戦では放っておかれることが常であった律は、少し吐き捨てるような口調でそう言うと、ますます体をお湯に深く沈めた。
徐々に熱くなってボウとしてくる中で、律は有名な一族の本家の長女として生まれた少女の、別れ際に言った言葉を思い出していた。

***

律が「狗神使い」を倒し魔界に押し返したと同じ頃。
残っていた狗たちを全て、「封魔の円陣」に封印した唯。
二人は静かになった山の中で、白い息を吐きながら間を取って話していた。
「すごいね、りっちゃん。あんなに疲れた様子だったのに魔族を倒しちゃうなんて」
「…おたくも。あれだけの狗たちをもう全部封印したのか」
互いを讃えながらも、どこか張り詰めた空気が二人の間を行き来する。
どちらも裏では有名な、若き退魔師と封魔師の二人。

「私は本部に戻る。おたくはどうする」
「あ、私はここで失礼しまーす」
「…長に何も言わなくていいのか」
「うん。ちゃーんと協会の長さんには話してるから」
「そうか…」
「うん。会ったばかりでもうお別れなのは残念だけど。またね、りっちゃん」

名残惜しそうにそう言う唯に、じゃあと短く言うと律は彼女に背を向けて歩き出そうとした。
だが律は少し躊躇った後、また唯の方を向き直る。
「ん?どしたの、りっちゃん」
振り返って自分を見詰める退魔師の少女に、唯は少し首を傾げる。
「いや、その…」
「なになにー?」
無邪気に聞いてくる唯に、律はどこか気が抜けてしまう。

「いや、…今回は助かったよ」
「え?」
「だから、一応御礼言ってんだよ。あのしつこい狗たちにはちょっとばかり苦労してたからな」
少しだけ頬を紅く染めながら、律はぶっきらぼうな口調でそう言う。

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書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
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ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

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当サイトはまんがタイムきらら原作、アニメ「けいおん!」中心の非公式サイトです。
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