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君の側にある旋律 【18】 -あとがき-

Category : SS( 君の側にある旋律 【18】 )
わーい、久々の更新だーい。でもちょっと番外編。
二人の中等部時代のお話です。中学三年生。

今回「鬼」たちの大規模な攻撃にあった協会の総本山。
多くの術師たちを呼びよせるものの、ちょっと時期が悪く人手不足です。
本来あまり律を、自分の娘から離したくはないと思っている澪の父でもある「長」ですが。
さすがにそうも言っていられなくなりました。
彼は協会を統べる長であり、私情は許されません。

律ちゃん自身は若いながらも、すでに裏では名の知れた優秀な「退魔師」。
なので故意に、貴重な戦力となる彼女をはずすことなど出来ません。
しかしそのせいで、澪ちゃんがかなり拗ねてしまいましたが(笑)。

後になって電話で散々娘から文句を言われる「長」。
彼は今回「協会」に属する術師たち以外にも、多方面に協力を要請しているのですが…。
そこらへんはまた次のお話で。

中・後編は一応書けてますので、また近々UPします。ではー。

「君の側にある旋律 【18】 黒と白の世界の合間に(前編)」
読んで頂きありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

君の側にある旋律 【18】 黒と白の世界の合間に (前編)-10-

Category : SS( 君の側にある旋律 【18】 )
音のない静かな山の中で、雪が静かに降り積もっていく。

やや山の奥深くに、一人入り込んでしまった律。
ある程度「気」を練り直した後、律は一旦本陣に戻ろうとして足を止めた。
突然先程までまったく感じなかったのに、急に巨大な邪気が立ち込めるのに気付いたからだ。

律が振り返ると同時に襲い掛かってきた黒い影。
だが若く有能な退魔師は、瞬時にそれに反応した。
後ろに飛び跳ね、黒い影からの攻撃を避けつつ剣を構える。
彼女を襲った黒い影は徐々に塊を作り、犬の姿へと変化していった。

「犬?…狗神(いぬがみ)か」
律が呟くと同時に、黒い影はいくつかに別れ塊を作り始めた。
数秒後には、別れた影はたくさんの黒い「狗」となって姿を現していく。
犬たちの目は闇のように深い黒で、生気はまったく感じられない。

だが低い唸り声は、辺りを震わせるかのように不気味に響き渡っている。
姿形は獰猛ドーベルマンのように、細く引き締まっているように見えた。
雪の白さと黒犬たちの対比が妙にはっきりしていて、律は僅かに目を細める。

「まだ、こんな奴らが残ってたのか…」
東の結界を突破し、人家のある山里へと向かっていた「鬼」たちを何とか押し返し、ここは死守できたと思っていたが。どうやらまだ敵は残っていたらしい。
それもどうやら無数の狗たちを操る「狗神使い」が。

一度は戦いも終わっただろうと、僅かに気が緩んでいた律の身に、「黒い影の犬」たちが再び襲い掛かってくる。
「ちっ、面倒くさい!」
四方から迫る狗たちを駆逐しながらも、律はやや焦りを感じていた。
ここまで来るのに「鬼」たちとの戦いで、すでにだいぶ体力が消耗していた。
先程一旦気を練り直したとはいえ、まだ完全という訳ではない。

倒しても、倒しても襲い掛かる狗たちをまともに相手していては、いずれはジリ貧になる。
この狗たちを操る狗神使いを倒さなければ…。
「狗神使い」の気配はすでに感じている。
そしてその巨大な邪気を発するそれは、只の「人間」ではないことにも。

この気は…魔族だ。

律はそう思いながら、木々の間を駆け巡った。
追ってくる狗たちを払いのけながら、周囲に手持ちの式神を全て飛ばす。
この狗たちを操っている魔族を探し出すために。
そいつは確実にこの近くに居るはずだ。
そう確信しながら、律は雪に覆われた地面でも苦にした様子もなく、式神の一つが反応した方へ飛ぶように駆けていく。その律を追う狗たち。

後ろから執拗に迫る狗を払いながらも。
東の結界から離れたこの深い山の中で、一人孤立した状態になっている。
…律はそのことに、今更ながらに多少苛立ちを感じ始めていた。

To be continued…

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君の側にある旋律 【18】 黒と白の世界の合間に (前編)-09-

Category : SS( 君の側にある旋律 【18】 )
ムギは、律は忘れていないと言うけれど…。

「あっちに行ってる間は忙しいから、そんなに連絡は出来ないと思う」
律は以前からそう言っており、「お手伝い」に出ている間はほとんど連絡してこない。
澪も遠慮して、自分から連絡はすることはあまりなかった。

以前からそうだったじゃないか。別に今回だけって訳じゃない。
そう頭では理解して居ても。寮を出る前日、喧嘩したまま出て行ってしまった幼馴染は、今日まで一度も連絡をよこそうともしない。
その事実が邪魔をして、澪はどうにもムギの言葉が信じられなかった…。

***

目の前に落ちてくる白い雪を、律は手のひらでそっと受け止める。
雪は律の手の平に落ちると、ですぐに水へと変わって下に落ちていった。
「今日は何日だったかな…」
思えばこちらに来てからずっと、日付を見ることも忘れていた。

秋山本家の近く、古都の山の一つに突如現れた大量の「鬼」たち。
魔族の影も確認される中、「協会」に所属する者だけなく。
他にも多数の退魔師や結界師たちに要請がけられ、この古の都に術者たちが集合したのだ。

秋山家の眷族の一つ、田井中家の娘である律もその一人。
それは普段、滅多に自ら律に「退魔」の仕事を頼んだりしない、澪の父でもある「長」から依頼だった。それだけ今回一人でも多くの術師たちが必要と判断された結果だろう。
恩義のある「長」からの依頼とあれば、律にそれを拒否するという選択肢などない。
どちらにしろいつだって、律の選択肢は少ないものだったが。

「まだ、間に合えばいいけど…」
曖昧な時間間隔の中で、律はポツリとそう呟いた。
今ならまだきっと間に合うだろう、いや間に合わせなければ。
「いつまでもこんな処で、だらだらとやってられないんだよ、私は」

大事な用があるんだよ、こっちにはさ。

白い息を吐きながら、深い山の中で律は小さくそう呟くと少し笑う。
「間に合わないと、しばらくお姫様の機嫌が相当悪くなっちゃうだろうからなー」
だから絶対に間に合わせないとな、とそう思う律の表情は楽しそうだった。

最初こちらに来たばかりの時は感じなかったが。
今では戦況は、かなりこちらに有利になってきているはずだ。
多数の実戦経験を積んだ律は、肌でそれを感じていた。
「鬼」たちは山を覆っていた邪気も、随分薄れてきている。

「もう少しだな、よし」
息を整え、しばらく気を練り直していた律はそう言うと山を降りようとした。

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君の側にある旋律 【18】 黒と白の世界の合間に (前編)-08-

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「澪ちゃん、今日は律ちゃんから連絡あった?」

部屋で一緒に宿題をしていたルームメイトが、不意にそう聞いてきた。
「え?…ないけど。別にいいよ、なくても」
澪はぶっきらぼうな言い方でそう言うと、またもくもくと数学の宿題に取り掛かる。
「そうなの…。お手伝いが忙しいのかしらね」
「さあね」
どこまで冷たい反応をする澪だった。

数日前のこと。
ムギが用事を終えて部屋に戻ってみると、怒り心頭といった感じの澪が部屋に居た。
澪から怒っている訳を聞いたムギは、「律ちゃんてば時々言い方が雑になるんだから…」と内心で少々呆れたものだ。

「何が余計な事するだ、だよ。まったく…」
どうせ私のすることなんて、律にとっては余計な事ですよーだ。
ブチブチ文句を言いながら、それでも数学の問題を解くのを止めない澪。
そんな澪の様子を、ちょっとばかり苦笑気味に見詰めるムギだった。

「まあ、明日は大丈夫だとは思うけど…」
「は?大丈夫って何が、ムギ?」
律との会話を思い出して、また不機嫌になりつつある澪にムギはニッコリと笑いかける。
「律ちゃんは絶対何があっても、明日までには帰ってくると思って」
「…」
妙に自信満々な面持ちで言うムギに、澪は怪訝な表情を見せる。

「そんなの、どうだかわかんないよ…」
そもそも律は、明日の事なんか忘れてるよ。
ムギの言葉に少し考えたようだけれど。
澪はまたどこかぶっきらぼうな言い方で、小さく一つ溜息を吐いた。

「それだけはないわ、きっと」
憂い顔の澪を見ながら、断言するように言うムギ。
「え?」
「律ちゃんが忘れてるわけないわ」
だって澪ちゃんの大事な日ですもの。
ムギはそう言ってまたニコニコと笑みを見せる。
「ムギ…」
「うふふ。あ、そうだ、澪ちゃん。そろそろ休憩しない?」
私、今お茶を淹れて来るから。
そう言ってムギは立ち上がってキッチンの方へと向かう。

「あ、ごめん」
「いいのよ。澪ちゃんミルクティーでいい?」
「うん、お願い」
「了解しましたー」
ムギは鼻歌を歌いながら、紅茶を用意をしてくれるのを感謝しつつ、澪はさっきムギが言ったことを思い出していた。

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君の側にある旋律 【18】 黒と白の世界の合間に (前編)-07-

Category : SS( 君の側にある旋律 【18】 )
「いや、澪、落ち着いて。確かに私の言い方が悪かった。本当に、あの…」
「もう、いい…」
「は?」
小さく呟くように言った澪の声が聞こえず、律は耳を彼女の方に向けて聞き返した。

もういい!律のバカー!

耳元で大音量で叫ぶ澪の声に、律の頭の中でキーンとした音が鳴る。
思わず両手で耳を塞ぐが、時すでに遅く体をふらつかせてしまう。

「バカ律!もう勝手にしろ!」
それだけ言うと、今だ頭を両手で抱えフラつく護衛(形式上!と内心で付け足す澪)を、ポーンと部屋から追い出す主。
「ちょ、ちょ、澪しゃん」
主の名前を呼びながら、ドア前に倒れ込む護衛に一瞥もくれず。
澪は大きな音を立てながら、ドアを勢いよく閉めてしまった。

***

はぁ、はぁ。
自分の吐く白い息が、闇の中に現れては消えていく。
他には誰も居ない静かな山の中で、己の呼吸だけが響いているような気がする。
気付けば周りには何の気配もない。
先程まで戦っていた「鬼」たちも、その姿を見せなくなっていた。

律は一旦剣を持った手を下に降ろす。
相変わらず振り続ける雪が、彼女のやや金色から茶色へと変わった髪や、身につけている防備用の肩当てに降り積もっていく。
「ふぅ。どうやら押し返せたみたいだな」
一度は崩壊した結界も、今は再度構築が成されている。

他二箇所ある陣営の方は定かではないが、何とかこちらの「東」の方は「鬼」の進行を食い止められたようだ。総崩れになりつつあった東側が立て直せたのは、いち早く救援に駆けつけた彼女のお陰と言えなくもない。
本部からの命令を無視してしまったとはいえ、律の功績は低くない。

またとにかく、一旦は東の陣営に居る術者たちに合流しなくては。
律はそう思いつつも、今は少し体を休めようとじっとしていた。
普段はあまり手にせぬ「長」から譲り受けた剣を片手に、律は息を整え気を練る。

「いつのまにやら随分山の奥まで入ってきたみたいだなぁ」
先程まで共に「鬼」と戦っていた結界師や退魔師も、いつのまにか置いてきてしまったようだ。
今は人の気配も、鬼の邪気も感じない。
律はこれ幸いとばかり、先程までの戦闘によって消耗した「気」を練るのだった。

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書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
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ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

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