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桜の隙間に見える世界 -あとがき-

Category : SS( 桜の隙間に見える世界 )
偉大なる故藤子・F・不二雄先生のお言葉をお借りすれば
S(ちょっと)F(不思議)な物語…のつもりです。

澪ちゃんがいろいろ大変でした。

元ネタは昔の某有名アニメの一話分。
今では超有名な押井守監督が当時その話を作ったと聞いて
やっぱりすごいなーと思ったお話でした。

しかしやはり短くまとめる事ができず長編に。
短編も書きたいんだけど、なかなかどしてー。

「桜の隙間に見える世界」を読んで頂きありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

桜の隙間に見える世界 -11-

Category : SS( 桜の隙間に見える世界 )
満開の桜。少しだけ強く吹く風。空を舞う薄紅色の花びらたち。

「あ、澪ちゃーん。こっち、こっち」
「澪先輩、こっちでーす」
唯と梓が私に手を振っているのが見える。
「お待たせ」
「どこ行ってたの~。心配したよ~」
「ごめんごめん。ちょっと迷っちゃって」
「でも良かったわ。ここがわかって」
「ごめんムギ。待たせちゃって」
「いいの。それよりりっちゃん見なかった?」
「律?」
「りっちゃん、澪ちゃんがなかなか戻ってこないから心配して、ちょっと見てくるって慌てて行っちゃったよ~」
「相当心配してましたね、あれは」
梓がちょっと冷やかし気味にそう言う。

「…そう」
「あ、りっちゃん」
ムギの声に私は振り向いた。
「なんだよ~。澪、戻ってたのかー!?はー探しに行って損した」
あーあと両手を頭の後ろに回して、疲れたようにそう言う律。
「またまた~」
「な、なんだよ唯」
「あんなに心配してたくせに。律先輩」
「う、うるさいな。心配なんかしてねーよ」
澪が来ないといつまでたってもムギのお菓子たべれないじゃん。
そう言ってそっぽを向く律の顔は少し照れているのか、耳がちょっと赤い。

「まあまあまあ。とにかく皆揃ったし。座って座って」
ムギがそう言うと律はやっとだぜーと叫びながらゴザの上に座る。
唯や梓達も座ってムギからお茶をもらっていた。
私も買ってきたジュースをゴザの上に置いて座った。
「はい、澪ちゃん」
「ありがと、ムギ」
ムギから紅茶の入った紙コップを受け取る。
桜はまだまだ満開で、私たちの座る上にハラハラと舞い落ちてくる。
・・・とても綺麗。

「お、澪しゃーん。この桜を見ながらまた乙女な歌詞でも思いついたんだろ」
ちょっとからかい気味に指で私の腕をツンツンしてくる律。
私はそれには答えず落ちてきた花びらを一つ手に取った。
「律」
「ん?」
ムギのお菓子をほうばる彼女は律だ。
「探しに行ってくれてありがと」
ぶっと、せっかく食べたお菓子を少し噴き出す律。
「汚いな」
「い、いきなり何だよ」
「別に。お礼を言ったんじゃあないか」
「…まあ、別にいいけど」
何となく納得いかない様子の律。失礼な奴だ。
私が素直にお礼を言うのがそんなにおかしいか。

「律」
「今度は何だ」
「桜、綺麗だな」
律は少しだけ顔を上げ、溢れんばかりの薄紅色の花びらたちと、その隙間から漏れる暖かい光に少しだけ眩しそうにしながら、あのいつもの笑顔で私に言った。
「本当だな」

この世界は間違いなく「私の世界」。
ここにいる皆は「私の世界」の大事な仲間。
隣に座る彼女は「私の世界」の幼馴染で親友で……そして大好きな人。

・・・あのウサギをまた見つけてしまわないだろうか。
私は少しだけ周りを見回してみた。
「どした、澪?」
「…なんでもない」
満開の桜。少しだけ強く吹く風。空を舞う薄紅色の花びらたち。
軽音部の仲間たちとのお花見はまだ始まったばかり。

あのウサギはもうどこにもいなかった。

end

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ジャンル : 小説・文学

桜の隙間に見える世界 -10-

Category : SS( 桜の隙間に見える世界 )
「澪」
名前を呼ばれる。でも私は少しも動けない。
「どうした?」
「律、私たちは…」
「なんだ、まださっきの質問の続き?」
「私たちは…」
「だーかーらー、親友で幼馴染で…」

中学から付き合っている恋人同士だろう。

「ちょっと照れるなー。へへ」
「彼女」は照れくさそうに少し笑っているのだろう。
抱きしめられている私にはその表情は見えない。

「澪?」
固まっている私を少し変に思ったのか、彼女は私から少し離れる。
「どうしたんだ。何かあった?…お、おい」
彼女は私が目に涙を浮かべるのを見て驚いている。
「ど、どうした、どこか痛いのか?」
慌てて私の肩を掴もうとする彼女の体を少しだけ力を入れて押しのけた。
私に押されて少しバランスを崩す彼女の顔は驚いていた。

「澪…」
「…」
ブレザーを肩からはずして彼女に差し出す。
「おい、澪…」
それを受け取る彼女は少し心配そうだ。その表情をみて私は苦しくて泣きたいようなとても切ない気持ちで一杯なのに、なぜか反対におかしくなってきた。
左手をぎゅと握る。
「…バイバイ」
私は振り返り猛然と走り出した。いったん何度目だろう。後ろから彼女の声が聞こえる。
その声を振り払うように私はめちゃくちゃに走った。
息が切れるまで何かから逃れたくて走った。
ただ走った。

どこまでも続くような桜並木。
桜の間を走る私は、さっきからこみあげてくる笑いを堪える事ができなかった。
「くふふ、あはは」
息が切れてしんどいのに止める事ができない。笑いがこぼれる。別に何かおかしい事があったわけじゃない。その証拠に目から涙がこぼれて溢れてくる。泣きながら笑うなんて。
我ながらとうとうおかしくなってきたかな。

「あはは、はあはあ」
さすがに息が続かなくなってフラフラになりながら、近くにあった木にすがるように倒れ込む。
もうおかしくはないが涙は止まらない。泣いてばっかりだ、私。
座って息を整えながらいつまでも泣く私の目の前に、あの「ウサギ」が立っていた。
「ああ、まだ戻ってない」
ウサギは耳をぴくぴくさせる。
「ああ、もう。バレたら怒られるなあ」
ウサギの勝手な言葉を聞いて私は急激にこみあげてきた怒りのせいで涙も止まった。
「なら、責任持って戻せよ!」
もうこんな思いは…!
私が急に立ち上がってそう怒鳴ると、ウサギは「ああもう」と言いながら走り出す。

「ちょ、こら!」
慌ててついていく私。またもや木々の隙間をスイスイと抜けていく。
私は見失わないように、慌ててその後を追っていくとそこはあの自販機の前。
最初に入った木のすぐ側。
私がその木を見ると、ウサギがひょこっと始めて見つけたときのように顔を出す。
「待って!」
ウサギが木の中に入っていくのを私は追いかけた。またあの感覚。

あんたが望めばあんたの世界に戻れる。望むだけ。望むだけ。
落ちていきながら走っているような感覚の中、ウサギの声が聞こえてくる。
私は…。

私は、望んでる!戻りたい。戻りたい!
「私の世界」の唯やムギ、梓に会いたい!皆に会いたい!
「私の世界」の律に会いたい!
私を知らない律でも、かっこいい男の子の律でもない。
照れながら彼氏を紹介してくれようとした律でも、
…私の事を好きになってくれて、恋人になった律でもない。
たとえそれが私の願いがかなわない世界だったとしても。私は…、
律に会いたい!

ただひたすらそれだけを願って、足を前に前に出していく。
遠くに光が見えてそこを抜けようとした刹那、あのウサギの声が聞こえた。

悪かったな、あばよ。

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桜の隙間に見える世界 -09-

Category : SS( 桜の隙間に見える世界 )
「それだけー?」
「い、いや、まだ」
「まだあんのかよ」
「わ、私たちはいつ出合った?」
「なんだよ。急に。確か幼稚園、ん、いや小学校…」
「どうして仲良くなったっけ?」
「えー、何言ってんだよ。小4の時。作文の事忘れたのか」
ほらパイナップルりっちゃんだよーん。おどけてカチューシャを取り前髪を手に取って上にあげ、変な顔を作る律。
…忘れてない。一度だって忘れた事なんてない。
あの時律と仲良くならなかったら、今、こんなに切ない思いをする事はなかったのだろうか…。

「ふー。で、終わり?」
カチューシャをつけ直してそう尋ねる彼女。
「さ、最後」
「まぁだあんのかよ。まあいいけどさー」
澪しゃんの気が済むまでどうぞー。
おちゃらけて言うその姿は律だ。律そのもの。
「わ、私たちは」
制服を握る手が少し汗ばむのを感じた。ゴクリと喉が鳴る。
「………親友?」
「…」
彼女は少し顔を俯かせたかと思うと急に肩を震わせた。

「り、律?」
「ぷ、ぷははははは」
「へ」
「急に何聞いてきてんだよ、澪!あはははは」
そう言って馬鹿笑いする彼女。
「な、何がおかしいんだよ!」
「だってさー。すごい真剣な顔してるから何を言うかと思えば…」
そう言ってお腹を手で押さえて高笑いする律。

「律!」
「ヒーヒー。いや悪かったって。ごめんごめん」
ようやく笑いを抑えて顔を上げた彼女は私をじっと見つめる。
「…律」
「もちろん親友だ。誰よりも、一番の親友!」
「…」
はあ。私は深く安堵とも落胆とも取れるため息を吐く。
律だ。「私の世界の」律。

「澪」
胸にあてた左手の力を抜いて少し下を向いていると、律が急に心配そうな声で私の名前を読んだ。
「なんだ、律」
「なんか顔色悪いぞ、疲れたのか?」
そう言いながら私の肩に手を触れる。
「大丈夫」
「でも、体が冷えてるみたいだ」
律は制服の上着を脱いで、私の体に羽織ってくれた。
「い、いいよ」
「いいから」
「な、なんだよ、今日は優しいなー。なにかあるのかー」
宿題を手伝って欲しいとかだったらごめんだぞー。
律の優しさになんとなく照れてしまった私は、ごまかすつもりでちょっと茶化してみる。

「はあ?いつだって私は優しいぞ」
笑ってそう言う律。
うん、知ってるよ。からかったり、ちゃかしたりして。
いつもごまかそうとするけど、それは優しさの照れ隠しだって事は。
「ほら、ちゃんとかけとけよ」
律が私の体に羽織ったブレザーを肩にかけなおしてくれる。
「あ、でも律が寒くないか」
「大丈夫!」
「…ありがと」
「いいさ」
律が私の肩に手を触れる。その表情はとても穏やかで優しい。
思わず私は力を抜いて律にもたれそうになる。少しだけ…。
「惚れた弱みってやつだな」
「律」はそう言って私を優しく抱きしめた。

……彼女の腕の中で私は目を見開いた。

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桜の隙間に見える世界 -08-

Category : SS( 桜の隙間に見える世界 )
満開の桜。少しだけ強く吹く風。空を舞う薄紅色の花びらたち。

アハハハ。いいぞー、うまいぞー。
イッキイッキイッキ、イッキにいけー!!
ママー、それ私のだよー!

お花見を楽しむ、周りの人たちの騒がしい声。
私は皆の場所にすぐに戻ろうとはせず、でたらめにふらふらと桜の中をゆっくり歩いていく。

戻りたくないはずはない。なのになぜ戻れない?
さっきの律に彼氏がいた世界は、「私」が居る世界とは違う。
あの世界の私は、律の彼氏に会う約束をしてたんだろう。

言ったろー。彼氏が出来たら澪に一番に言うって。
確かに昔、そんな約束をした。
「私」が居る世界とは違うけれど。
「私」が居る世界であってもそうなる可能性はいつだってあるんだ。
そんなのわかってるのに。わかってたのに。
心臓がキュと締まるような痛みを感じて、私は左手で制服の胸の部分を強く握った。

しばらく歩いていると桜の木々を抜け、目の前には広い池があった。
桜にぐるりと囲まれたその池には散ってしまった桜の花びらがたくさん浮かんでいる。
ふと池のほとりに誰かが居るのに気付いた。
後ろ姿で立っている私と同じ制服を来た、切りそろえた髪がとても似合ってる私がよく知っている女の子。

「り、つ…?」
声が少し震える。
彼女が私の声に気付いて振り返る。
「…澪」
静かに私の名を呼ぶその声は穏やかで、いつもどおりの私を安心させる声。
「…律」
「どうしたんだよ、澪ー。いつまでも戻ってこないからさー」
「律」が私に近づいてくる。
「待って、律」
思わず手を上げて彼女の動きを止める。あいかわらず左手は制服を掴んだまま。
「ん?」
「い、いくつか質問があるんでそれに答えろ」
「え?」
「いいか」
「…まあいいけど」
ギュと力が入る私の左手。他の皆とは違う利き手。

「私たちが通っている高校はどこ?」
「はあ?何言ってんの?」
「いいから答えろよ」
ちょっと肩をすくめる彼女。
「桜ヶ丘高校だろ。女子高」
「梓は私たちの先輩、後輩?」
「なーんだよ、それ。後輩に決まってるだろ。私たち唯一の可愛い後輩」
ちょっと生意気だけどなー。ニヒヒと笑う彼女。
「律、か、彼氏とか…?」
「はあ?そんなんいねえよ、ったく知ってるだろ」
「私たちの…律の性別は女?」
「ひでえな、澪。女じゃなかったらなんなんだよー」
冗談ぽく怒りながら文句を言う律。
「…」

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プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
こちらはけいおん二次創作SSサイトです。

ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

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