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いいなづけ 第四作目 -あとがき-

Category : SS( いいなづけ 【4】 )
それがどんな事であれ、熱中するものがあると人生楽しくなるよね。
というお話…のつもり。

『許婚』という関係の二人がファンクラブの人にどう見られ、どう思われてるか。
人によってそれぞれ違うと思います。
てなわけで次のお話は2年2組のクラスメイトに出演していただく予定です。

「いいなづけ -2年1組 クラスメイトの場合」を読んで頂きありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

いいなづけ -06- 2年1組 クラスメイトの場合

Category : SS( いいなづけ 【4】 )
「ねえ、砂糖これくらいでいい?」
「いいよ。そこに入れてよくかき混ぜてね」
始めて一緒に帰ろうと誘ってから数日後、私は彼女の家でお菓子作りを教えてもらっていた。

あの日、私の誘いを快く承諾してくれた彼女。
家に帰る途中でいろいろと話をしてわかった事がある。
彼女と私は同じ中学であり(クラスが一緒になった事はなかったのでまったく知らなかった)お互いの家も案外近い事。大人しく控えめなだけど、ちゃんと話をしてみると興味の幅が広くて、きちんと自分の意見がはっきり言えるしっかりした性格だという事。

「ファンクラブ」という共通の話題だけでなく、私達の話は弾みけっして退屈はしなかった事。
中学、高校と一緒だったのに私達は何もお互いの事を知らなかった。けど今はもっと知りたい、てゆうか…もっと仲良くなりたいなーて私がその時感じていた事。
気が合うってやつなのかな。

「はー。お菓子作りなんて始めてだよ~。結構体力いるー」
スポンジ部分になる下地をかき混ぜながら私は早くもへばり気味。
「大丈夫、代わろうか?」
「大丈夫。大丈夫」
春のお茶会では秋山さんは参加してくれることになったが「一人では恥ずかしい」との事で結局軽音部でバンド演奏する、お茶会というよりライブ形式で出席する事に決まった。
何曲か演奏したら軽く挨拶して退場するらしい。それだけなのは残念だがとりあえず来てくれるだけでもありがたいと思わなきゃ。

お昼のメンバーも、とにもかくにも秋山さんが出席してくれることがわかったので、お菓子やら何かプレゼントしようよーと盛り上がっている。
…手作りのお菓子とかみんな気合入ってるなー。私も何かしたいな。
そう思っていると「一緒にお菓子作らない?」と彼女が提案してくれた。正直助かった。
お菓子作りなんてした事がなかったから。ド初心者です。

「そういえばさー」
クリームを掻き混ぜながら不意に私は思い出した。
「うん」
「始めて一緒に帰った日あるじゃん」
私はあの日放課後教室で見た事を彼女に話そうとして、少し悩んだ。
なんだか見ていて不思議で、ちょっと切なくなるような二人の雰囲気。
時間が一瞬止まっている様にとてもゆっくりと見えた光景。まるで映画の1シーンみたい。
それをどう説明していいのか。決して嫌な気分になったわけではない、むしろ…。
もしかしてそれは恋人どころか、恋愛のレの字も経験のない私にはまだよく理解できないものなのかもしれない。

「なに?」
急に沈黙した私に彼女は不思議そうだ。
「あ、いや、うーん。ちょっと思ったんだけど」
「うん」
「秋山さんと田井中さんて結構お似合いかもね」
「…」
う、話に脈絡がないな。
「いやー、あの日放課後で二人が話をしてるの見てさー。なーんとなくそう思っただけー。まあファンとしてはちょっーと微妙な気持ちだけどねー。」
「……そう」
案外田井中さんもイケメンさんかもね。まあ、秋山さんの方が断然かっこいいけどー。
冗談ぽくそう言いながら、パックから苺を取り出していた彼女の表情を見て私は「あれ」と内心で呟いた。

もしかして彼女は秋山さんのファンではなくて…。

「もうそろそろいいんじゃないかな」
「へ」
そうだ。今はお菓子作りの真っ最中でした。
私は気持ちを切り替えて、彼女の指示通り作業を続ける。

いいや。彼女が誰のファンであれ、今度のお茶会は二人とも参加を表明しているのだ。
「楽しみだね」と、目の前で材料を確認している彼女も言っていた。
それにせっかく仲良くなって、今日はこうして彼女の家に来てお菓子作りまで教えてもらっているのだ。とにもかくにも楽しまなきゃ、新しい友達と一緒に!

…ああ、お茶会でうまくお菓子渡せるかな。てかその前にうまくお菓子作れるかな?
「先生よろしくお願いしまーす!」
「りょーかい!」
私の陽気な声に彼女も楽しそうに笑って腕まくりした。

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いいなづけ -05- 2年1組 クラスメイトの場合

Category : SS( いいなづけ 【4】 )
放課後。
いつもならHR終了後は鞄に教科書やノートを詰めて、同じ帰宅部の友達とさっさと帰る私。帰る途中でたまにクレープ屋さんやファーストフードに入ったりして、友達と他愛もない話をして時間を過ごしてから家に帰る事もあるけど、あいにく今日は日直当番だったので友達には先に帰ってもらった。

「澪ー!部活行こーぜー」
いつも大概HR終了前から廊下で待っている田井中さんが、今日は珍しく少し遅れて秋山さんを迎えに来た。
教室には日誌を書いている私と、隣でノートを開いて何か書いている秋山さん。
それにあと他何人かが残って話をしていた。

「珍しく遅いな、律」
「まあねー。ちょっと野暮用」
なんだ、それ。秋山さんはそう呟きながらノートを閉じて鞄に詰め込む。
秋山さんが部活に行く準備をしている間、田井中さんは残っていた何人かと話をして、
…もう笑いあってる。
前から思っていたが、よくあんなにいろんな人と仲良くなれるなーと感心してしまう。
私なら「ファンクラブ」という共通の話題がなければ、今日のお昼に一緒に食べていたみんなとだって何を話せばいいかわからなくなって困ってしまうだろう。
すごいな、と素直にうらやましい気持ちと、なんか軽い人だなーとあきれる気持ちが同時に湧いてくる。

何気なく日誌を書く手を止め隣に立つ彼女を見ると、教室の後ろで笑いながらじゃれあうクラスメイトと田井中さんをとても静かな面持ちで見つめていた。その表情は穏やかだけどどこか切ないような、なにかを憂えいてるような複雑な色を浮かべ、左手は右手の肘の袖をキュとつかんでいた。

その姿になぜか私は見蕩れてしまった。

私がいつも横目で見てしまう、ピンと少しだけ張り詰めた王子様のような凛々しい姿ではなく、まるで知らない町で迷子になっている小さな女の子のようにどこか不安気で朧気な姿…。

見られている事に気付いたのか、田井中さんは「ほいじゃなー」とさっきまで話をしていたクラスメイト達にヒラヒラと手を振って別れる。
「澪、んじゃ、行こっか」
田井中さんがポケットに手を入れながら鮮やかに笑う。
…ああ、なんだか本当に「ニカ」て音が聞こえてきそうなくらい、楽しそうな笑顔。
「ん」
秋山さんも先程の切ない表情でもなければ、いつもの少しだけ張り詰めたようなそんなどちらでもない、安心しているような、力を抜いているような表情で体の力も抜いたように見えた。
二人の短い会話の様子を私は少し呆然と眺めていた。

隣に立つ彼女が私に気付いたようで、こちらを振り向いて私に少し笑いかける。
日直お疲れ様。
彼女は「じゃあ」と肩に鞄とベースを担ぐと「律、ほらさっさと行くぞー」と歩き出した。
「おう。あ、じゃなー」
田井中さんは私に軽く手をあげて挨拶した。
急に挨拶された私は内心で驚きつつも、なんとか手を振り返す事ができた。
隣の席だというのに、普段はほとんど会話する事もない私。
憧れの秋山さんに声を掛けてもらって、いつもの私なら今頃脳内が大変な事になっているに違いないのに、このときは妙に冷静でいる自分が少し不思議だった。

***

「失礼します」
日誌を先生に渡して職員室を出る。
仕事も終わったことだしさっさと帰ろうと廊下を歩いていると、少し前に見知った相手が歩いているのが見えた。私は一瞬躊躇したが、意を決して声を掛ける。
「待って」
私の声に振り返ったその子は、今日一緒にお昼を食べていた2組の少し大人しい彼女。

「あなたも遅いんだね。今から帰るの?」
彼女も私同様、部活も何かの委員会にも所属していなかったはずだ。
廊下を歩きながら聞いてみるとクラスの仕事を先生に頼まれたのて少し遅くなったのだそうだ。
私はよく先生に頼まれるの。そう言ってちょっと笑った。
確かに彼女は人に頼まれたらイヤとは断れなさそうだ。

「ねえ、良かったら途中まで一緒に帰らない?」
いつのまにか二人で靴箱の前まで来ており、靴を履き替えてから2組の靴箱がある場所まで行き、いつにない積極性を出して私は彼女を誘った。
何度かお昼を一緒にしたといっても、いつもはお互いのクラスの友達が周りにいる。
たまたま「ファンクラブ」に入っている私達はそれほど仲がいいわけじゃない。とゆうか今まであまりちゃんと話をした事がなかった。

そんなほとんど話をした事がない相手を誘うなんて…。
やっぱり私は以前よりちょっと変わってしまったのかもしれない。
何がどう、と聞かれても答えられないけど。

彼女は一瞬考えたようだがすぐに笑って「うん」と言ってくれた。

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いいなづけ -04- 2年1組 クラスメイトの場合

Category : SS( いいなづけ 【4】 )
「とりあえず田井中さんの承認は取れたって聞いたけど」
とにもかくにも以前よりずっと充実した日々を送っている私の耳元に聞こえたその一言で、なんだか一瞬冷水をかけられたような気分になる。
…なぜ、そこであえて田井中さんの承認を?

「まあ、『許婚』だし」
いや、知ってるけどね。
あの二人が『許婚』だって事は。うちの学校でそれ知らない人いないと思う。
「別にいいけど、『許婚』より先に本人の承諾を得ないと」
我ながらもっともな意見だと思われる。

「でもなんか勝手にするのは悪いよーな」
一人がそう言うと「そうだねー」と、数人がそれに賛同している。
えっ、そなの?
「だって、田井中さんが「ダメ」って言ったら秋山さん断りそうじゃん」
「なんだっけ、あれ。将を欲すれば馬を射よ、だっけ」
うう、なんかそれはありそうだ。

完璧超人(と私は思っている)の秋山さんにもネックはある。
田井中律さん。2年2組。軽音部の部長。
彼女はしょっちゅう1組にやってくるので私もよく知っている。話をした事はないけど。
真面目で控えめな秋山さんとは正反対な感じ。彼女が来るとそれまで静かだった教室が途端に騒がしくなるのですぐわかる。その度に秋山さんが「静かにしろ、律」と軽くたしなめているのはよくみる光景だ。
明るい性格でうちのクラスにも友達が多そう。どちらかといえば大人しくいつも一人でいる時は机で静かに本を読んでいる彼女とは対照的だと思う。

よくあの二人気があっているなあ、と不思議に思っていたが、なんと親同士が決めた『許婚』だなんて!始めてそれを友達から聞いた時びっくりしたもんだ。
いまどき親同士が決めた『許婚』なんて。今、何時代?平成だよね。
お茶会くらいでいちいち『許婚』さんの確認取らないといけないなんて、なんか秋山さんがかわいそうだよ。

あ、別に私は田井中さんが嫌いではないよ。
明るくていつも元気なところは好感が持てると思うし。
でも『許婚』ってのはちょっと…。私達まだ高校生だよ。
今まで無気力とまではいわないまでも、さしてこれといってなんにも興味をもたずに過ごしていた私が今や「秋山澪ファンクラブ」に入会して、2年生のクラス分けで彼女と同じクラスに名前が書かれていたのを確認した際「よっしゃあぁぁぁ」と力一杯ガッツポーズを(もちろん脳内で)取った私だよ。
この先何が起こるかなんてわからないよ。

「そんな事、ないと思う」
つい最近の過去にあった幸せな出来事を振り返り、自分の変貌ぶりを思い出していると、私の正面に座るセミロングで眼鏡をかけた子が会話に入ってきた。彼女は確か2組。
田井中さんと同じクラスだ。

「なにが?」
「田井中さんがダメなんて絶対言わないと思う」
そう言ってまたお弁当を食べ始めた。何度かこのメンバーでお昼を一緒にしてるけど、彼女はとても大人しい人でいつも私達の話にニコニコとして時々相槌を打つくらいだ。
そんな彼女が珍しくはっきりと言ったのでみんなも私と同じように少し驚いている。

「…まあ、そうかもね」
「うーん。りっちゃんだったら細かい事は言いそうにないけどさ」
「だよねー。てかそんな事より秋山さんが来てくれるなら、私、家でお菓子作って持ってきちゃおっかな~」
あー、抜け駆けー。違うって、最近お菓子作りにはまっててー。
話題はもう今度のお茶会へ持っていくプレゼントの話へと移っていく。

私もそれに話をあわせつつ、なんとなくさっきのいつもはとても大人しい2組の彼女の、はっきりとした態度を思い出していた。

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いいなづけ -03- 2年1組 クラスメイトの場合

Category : SS( いいなづけ 【4】 )
秋山澪ファンクラブ 会員番号30番。

学園祭が終わり「ファンクラブ」なるものが結成されたと耳にした私は、今にもガゼルに襲い掛かるチーターの速さで会員登録に申し込んだ。自分ではかなり早い時期に登録したと思っていたのに、作ってもらったカードを見て少々落胆した。すでにもう29人の会員がいたからだ。

1番とは言わないが、一桁台には入っていたかったものだ。いや十の位でも…。
しかし考えようによってはこれはこれでいいかも。30番。
3(み)0(お・アルファベット読みね)と読めなくもない。

…ああ、いつから私はこんな乙女思考になってしまったのだろうか。
中学の頃は喜怒哀楽を顔に出す事はあまりなく「ばば抜きで絶対にぼろを出さない女」という名誉ある称号を、修学旅行の時友人達からいただいた私だと言うのに。
「いいじゃない30番。私、49番だよ。なんか縁起悪い数字だと思わない」
「どうでもいいじゃない、番号なんて。ねえ、その玉子焼きとウインナートレードしない?」
「いいよー」
玉子焼きと引き換えに可愛らしいタコさんウインナーをもらった私は、すぐにそれを口に放り込んだ。

季節は初夏。
一年の中で最も過ごしやすい季節を私は同じ「ファンクラブ」会員の仲間数人と一緒に、屋上でランチを楽しんでいた。
以前の私はお昼時間は教室で数人と机を囲み、適当に話をしながらそのまま過ごしていた。
いくら季節が良くても、さして屋上まで食べに来たりはしていなかったと思う。

「ねえ、みんな今度のお茶会なんか持ってくるの?」
「えー、何、なんか持ってくるの?お菓子とか?」
「お菓子でもいいけど、ファンとしてなにかこう…渡したいてゆーか…」
「あー、なるほど」
現在私達の話題の中心は今度開催予定の「秋山澪ファンクラブ 春のお茶会」の事だ。

「それはいいけど、…当の秋山さん来てくれるのかどうか、まだわからないんでしょ?」
「会長がお願いするって話だけど」
現生徒会長がファンクラブ「会長」である事は、なぜかほんのちょっと前までは会員内では暗黙の了解として口に出す事をはばかられていたけれど、この間何があったかは知らないが秋山さん本人に会長の正体がばれてしまったので、最近はオープンにいろいろと企画を練ってくれる。私としてはありがたい限りだ。

生徒会会長兼ファンクラブ会長。とにかく会長、いつもありがとうございます。
一ファンとして心から楽しませていただくつもりです。
それにしてもファンクラブに入会してから、同じクラスメイトでもそれまでほとんど話さなかった子や、他のクラスのまったく知らなかった同級生とこうやって仲良く屋上でランチするなんて。
今まで部活も委員会活動もしていなかったせいか、交友関係が広がりようもなかった私に急に友達が増えたようで、これはこれでなんとも楽しい。
共通の目的で集まるのがこんなに楽しいなんて。今まで私知らなかったな。

…まあそれが「同い年でクラスメイトのファンクラブ」という点がいいかどうかはともかく。

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プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
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ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

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